中日平田が開いた“新境地” 山崎武司氏「本塁打の少なさを気にする必要ない」

現在は解説者などを務める山崎武司氏【写真:岩本健吾】
現在は解説者などを務める山崎武司氏【写真:岩本健吾】

「こうやって自分の生き場所を見つけたのは非常にいいことだと思う」

「打率を稼ぐ選手というのは、ほぼ反対方向(への打撃)だよね。軽打。(平田は)2ストライクからのバッティングに関しては、かなり軽打でライトヒッティングしてる分、打率が上がった。基本的には、昔から反対方向に打つのが下手じゃなかったけど、このへんが大きいんじゃないかな。考え方とか、技術的なことで変わる選手がいっぱいいるってことだよね。平田にはそれが大きかった。

 みんなスラッガーでプロに入ってくる。高校でホームラン50本打ったとか、60本打ったとか。例えば、ソフトバンクの今宮だってそうでしょ。みんな超スラッガーとして入ってきて、プロにすごいやつが集まって戦う上で、自分はどうやって生きていこうか、というところで色々な方向づけをされる。(シーズン)30本打てる要素は多分にあった平田だけど、こうやって自分の生き場所を見つけたのは非常にいいことだと思う」

 その平田を1番で起用した中日のチーム方針についても、山崎氏は理にかなっていると見ている。

「1番での起用は、数字を見れば分かる。打点やホームランは少ないけど、打率、出塁率はいい。バッターにとって勲章の首位打者というのは、例えば新聞とかで(打撃成績一覧を)見ても一番上に名前がくるわけだから。ホームランは(一番上に)来ないからね(笑)。(打撃成績)30傑は打率で評価されている。そういう部分では数字が物語っている。出塁率がいいから1番にしてハマってくれた。いいことじゃないかな」

 昨季初めてゴールデングラブ賞に輝いたとはいえ、元々、守備力には定評のある選手。スピードも併せ持っている。能力を存分に発揮できる“ポジション”だと言えるかもしれない。

「欲を言えばホームランや打点をもうちょっと上げてほしいとも思うけど、1番としての役割は果たしたんじゃないかと思う。何も悪くないと思うね。だから、ホームランが少ないとかも気にする必要はない。打順についてはそもそも、1、2番はチャンスメーク、3、4番は(走者を)返すという役割があるけど、それは一回り目だけの話で、二回り目からは巡り合わせでいいところに回ってきたり、先頭バッターが2番バッターになることだってあるわけだから。でも、昨季の平田については、文句のない成績は出したなと思う」

 今季から与田剛監督がチームを率いる中日。平田がキーマンの一人となることに変わりはない。新監督はどのようにその能力を生かすことになるだろうか。

(Full-Count編集部)

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