好成績を続けてこそエース 過去5年で最も安定して勝っている投手は…【パ編】
オリックスは西、金子で5年計93勝、2人が流出
10勝平均で5年間投げれば、50勝になる。しかし50勝をクリアした投手は楽天の則本と西武(今季からマリナーズ)の菊池の2人しかいない。かつては1シーズンで42勝も挙げる投手がいたが、分業制が定着した現在は、勝利を積み上げるのが非常に難しくなっているのだ。
則本は2013年のデビューからずっと規定投球回数をクリア、そして5年連続奪三振王。過去5年の通算奪三振数は1055と、両リーグで唯一1000個を超える。投球回数も年平均200回に近い965回1/3。これも両リーグ最多。故障知らずの大エースだと言えよう。
菊池は5年間の防御率が3を切った。特にここ3年は質の高い投球をしていたと言える。3位のロッテ、石川は失点こそするが試合を作ることに長けている。オリックスは、西、金子と過去5年であわせて93勝している両エースが抜ける。深刻な事態だ。
ソフトバンクは傑出した投手はいないが、35勝以上が千賀、武田、バンデンハーク、中田、東浜と5人いる。この層の厚さが強みだろう。西武の野上は2018年、巨人に移籍して4勝を加えている。
大谷翔平は一昨年までの4年間で39勝。防御率もこのランクの選手では1位の2.30、二刀流だが投手としても傑出していた。こうしてみると、長期にわたってマウンドを託すことができる「本当のエース」は、非常に希少だということがわかる。
(広尾晃 / Koh Hiroo)