好成績を続けてこそエース 過去5年で最も安定して勝っている投手は…【セ編】
巨人のマイコラスは3年で31勝をマークしMLBでも最多勝に
5年平均で10勝以上をマークしているのは、巨人、菅野と阪神メッセンジャーだけ。菅野は両リーグ最多の63勝、しかも防御率は1.99。昨年はハイレベルな成績で2年連続沢村賞に輝いたが、当代一のエースだと言えよう。投球回数も楽天、則本の965回1/3に次ぐ910回1/3だ。
阪神のメッセンジャーは、MLB流に言えばイニングイーターと言うことになるだろう。多少打たれても責任投球回は必ずクリアする。毎年3000球前後を投げるが故障知らずだ。
広島は3位ジョンソン、4位野村、7位大瀬良と傑出したエースはいないが、質の高い先発が揃っている。17位に2014、15年で26勝してメジャーに移籍した前田健太がいるが、前田の抜けた後をこの3人が中心に盛り立ててリーグ3連覇を果たした。現役最多勝の163勝を挙げているヤクルト、石川は今月22日に39歳になるが、過去5年で42勝。しかし防御率は良くない。
ここ2年の不振で勝ち星が増えていない阪神の藤浪も過去5年で40勝。3年前まではメッセンジャーと並ぶ両エースだった。13位のマイコラスは3年で31勝。防御率が素晴らしい。MLB復帰1年目で最多勝を挙げたが、NPBでの実績も同僚の菅野に次ぐ優秀なものだった。
同じく13位には中日の又吉の名前が。救援投手だが、大車輪の活躍で勝利に絡むことが多かった。昨年は不振に陥ったが、中日としてはどうしても復活してほしい投手だろう。この数字を見ると「2桁勝利」がいかに難しいかを実感する。
(広尾晃 / Koh Hiroo)