「パ・リーグとして…」パ6球団のチア集結、ダンスフェスで見えた絆と未来

パ・リーグ ダンスフェスティバル2018-2019の様子【画像:(C)PLM】
パ・リーグ ダンスフェスティバル2018-2019の様子【画像:(C)PLM】

横の繋がりが生まれ、チア同士に絆も…

 シーズン中は相手チーム同士である彼女たちが一致団結し、互いを鼓舞し合いながら奮闘する姿は、まさにこのダンスフェスの一つの醍醐味と言える。一瞬たりとも目を離せないコラボレーションに会場全体が熱気に包まれ、絶えず歓声が上がっていた。得票数は白組1048票、紅組984票という僅差。「何よりも白組が勝って嬉しい」と笑顔で語ったのは東北ゴールデンエンジェルス(楽天)のMARIさん。勝ちにこだわる姿勢も、チアならではだ。

 また、ハニーズ(ソフトバンク)のNAYONさんは「来年は6球団の混合チームでやれたらよりコラボ感が出ると思う」とアイディアを語り、今後に向けて早くも期待が高まる。

 今回のイベント開催を担当したオリックスの水島亜由美氏は「今回で4回目の開催を迎えるにあたって、今までの”見せる”エンターテイメントから何か変化をつけたいと考えていました。ダンスパフォーマンス以外にも、ジャスチャーやイラストといった対決イベントを組み込むことで、普段球場で見ることのない新たな一面をお見せできたのではないかと思っています。も
ちろんまだまだパワーアップできる部分がありますが『パ・リーグ6球団が力を合わせると、こんなにも素晴らしい空間が生まれるんだ!』ということを感じていただけたら嬉しいです」と新しい試みに手応えを感じていた。

 前述したステージでの姿以上に印象的だったのは、舞台裏での彼女たちの仲の良さである。ステージを降りた後も時間の許す限りチームの垣根を超えてコミュニケーションを取り合う姿からは、彼女たちの本当の仲の良さが垣間見えた。

「このイベントで(他チームのチアに対して)久しぶりと言えるのがすごくうれしい」と語るのは、昨シーズン中にパ・リーグ全てのチアチームとの交流を行ったというM☆splash!!(ロッテ)のASUKAさん。近年のパ・リーグのチアチームはシーズン中に他チームの本拠地を訪ねてコラボパフォーマンスを行う「チア交流」が定着し始めており、彼女たちによるとチア同士のつながりは年々強くなってきているという。

 シーズン中から育んできたパ・リーグチアとしての絆が、ダンスフェスという特別な時間を通じてより深いものへと変化してゆく姿を目の当たりにし、彼女たちの笑顔にこれからのパ・リーグの未来の明るさを確信した。「離れていてもひとつのパ・リーグとしていいものを作っていける企画。何年も続けていきたい」と語るのはBsGirls(オリックス)のCHALさん。今回彼女たちへの取材の中で幾度となく出てきた「パ・リーグとして」という言葉に表れているように、チアとして各々のチームを応援するだけではなくパ・リーグが一体となって、プロ野球を盛り上げていこうという彼女たちの決意は固い。

 その決意こそがパ・リーグの、そしてプロ野球界にとってのかけがえのない財産であり、今後の新たなプロ野球ファン獲得につながる大きな力となり得るだろう。彼女たちはまた、春からそれぞれの球場でファンと共にチームを応援し、グラウンドに華を添える。

 離れていても、彼女たちの心はひとつだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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