1年目で米殿堂入りを果たしたロイ・ハラデー 非業の死を遂げた右腕の功績

2017年に飛行機事故で40歳の若さで帰らぬ人となった

 2009年オフに大型トレードでフィリーズに移籍。当時のフィリーズはナ・リーグ東地区で3連覇中という強豪チーム。2010年、ハラデーはコール・ハメルズ、カイル・ケンドリック、ジェイミー・モイヤーらと強力な先発投手陣を形成、21勝で最多勝に輝き、2度目のサイ・ヤング賞も獲得。史上5人目の両リーグでの受賞となった。

 また、この年5月29日のマーリンズ戦では完全試合、初めて出場したポストシーズンでもノーヒット・ノーランを達成。リーグが変わっても、圧倒的なパフォーマンスを見せた。翌2011年も19勝を挙げ、エースとして活躍したが、2012年は故障もあり11勝どまり。2013年に右腕の故障が見つかると、このオフにあっさり引退を表明した。

 通算成績は、416登板203勝105敗、2749.1回2117奪三振、防御率3.38、最多勝2回、サイ・ヤング賞2回。

 松井秀喜との対戦成績は63打数14安打4本塁打、打率.222、イチローとは42打数11安打0本塁打、打率.262だった。トロント・ブルージェイズでは球団史上2位の148勝を挙げる。2017年にはこの功績で、カナダ野球殿堂入りを果たす。

 ハラデーは引退後、悠々自適の生活を送っていたが2017年11月7日、自ら操縦する小型飛行機がメキシコ湾に墜落し、帰らぬ人となった。まだ40歳という若さだった。米殿堂入り資格1年目での殿堂入りは、非業の死を遂げた大投手への鎮魂の意味もあったと思われる。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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