野村克也はハワイで“産まれた” 呉や沖縄、高知でも…鷹キャンプ地の歴史
遠方からのファンが座席を確保できるように、一部を有料座席に
2005年に親会社がダイエーからソフトバンクに変わると、キャンプ地は現在もキャンプを行う宮崎県宮崎市の生目の杜運動公園へと移った。35ヘクタールの広大な敷地で、1軍から3軍まで、90人以上の選手が一堂に会してャンプを行っている。
宮崎市では巨人、オリックスもキャンプを行っているが、ソフトバンクは地元九州の球団だけに人気は高い。JR宮崎駅からは、各キャンプ地にシャトルバスが出ているが、便数はホークスキャンプが一番多い。また併設されるホークス・ビレッジではB級グルメや地元特産品などの店舗が数多く並んでいる。
ホークスは昨年からメイン球場「アイビースタジアム」の一部を有料席とし、前売り券を発売した。これは人気が高まって早朝から地元宮崎のファンが集まり客席を埋めてしまうため、遠方のファンのために席を確保するためだ。前売り券には、地元特産品などのプレゼントもついている。
近年は、沖縄県に春季キャンプ地が集中する傾向にあるが、ホークスは宮崎市を動かない。その理由として担当者は、1~3軍までが1か所で練習できる大きな施設が沖縄県にないことと、温暖な沖縄は仕上がりは早いが、本土に戻ったときに体調を崩しやすいことを挙げている。
宮崎は福岡と気温の差はそれほどないが、春の訪れとともにじっくりとコンディションを整えていくことが可能だ。多くの球団は2月下旬にはキャンプを切り上げてオープン戦を転戦するが、ソフトバンクは2月28日まで1か月、宮崎にじっくりと腰を据える。2月後半には梅の花が咲き、気温も上がっていく。ホークスはそれとともに臨戦体制になっていくのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)