DeNA筒香が語った球界の問題点「若い世代に多い『勝利至上主義』が原因」

「大人が守らないと子供の将来は潰れると思います」

「野球界でいうと、一つの要因は若い世代に多い『勝利至上主義』が原因だと僕は思っています。どの年代も、選手の将来的な活躍よりも、今の勝利を重視した『勝利至上主義』に問題があるのではないかと思っています。プロ野球はリーグ戦で行われていますが、骨格のできていない子供たちの大会はほとんどがトーナメントで行われています。このため、どうしても選手の成長よりも今の試合に勝つことが優先されています」

「指導者は勝つことが子供に良かれと思ってやっていますが、実は子供たちの負担になっているという現状があると思います。もちろん僕自身も勝つことを否定しているわけではありません。勝つ喜び、負けて悔しがることは必ず必要なことだと思っていますが、勝つことが第一に優先されて、子供の未来が潰れているのが現状です。子供が優先されないといけないのに、大人が中心になってやってしまっているのではないかなと思っています」

 勝つ喜び、負ける悔しさは、人間として、選手として必ず必要だ。かといって、子供たちの身体や将来に目を向けず、勝利が何よりも優先される現状は好ましくないと、筒香は感じている。

「子供を守るのは両親、指導者などの大人です。大人が守らないと子供の将来は潰れると思います。小学生が肘や肩を痛め、酷い場合は手術をしないといけないという例も多く聞きます。アメリカでは球数制限が導入されていますが、日本ではまだ導入されていません。指導者が良かれと思ってやっていることで、子供たちの負担になっていることがすごく多いのが現状です。子供たちを守るためには各連盟の方がルールを決めないとまた同じ繰り返しになると思っています」

 子供を守るためには、大人が現状を理解し、子供たちの将来を第一に考えなければいけないと筒香は言う。では、子供たちを守るためには、どうしていくべきなのか。次回以降は筒香の考え、語った改善案などを紹介する。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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