西武の「オールドルーキー」、71球の投球練習の中で見せた“変化”とその意図

左足の振り上げがおとなしめのフォーム、左足を高くふり上げるフォーム

 71球を投じたこの日、初めは左足の振り上げがおとなしめのフォームで投球していたが、途中から左足を高くふり上げるフォームに変更。その意図について森脇は「最初の足をあまり上げないフォームでは、自分の投球に制限をかけている状態で、ボールの強さを抑えて、自分の投球フォームを意識することに重点を置いていました。その後、試合時のように左足を高く上げての投球は、ボールの強さを意識して、いいボールを投げられるように」と説明した。

「軸足に体重をしっかり乗せるということもありますが、その足をそのまま下ろすのではなく、ゆっくり下ろして“溜め”を作ってから、左足を前に踏み出すことで(フォームの)バランスが取れる。その“溜め”を作らないで投げるとバランスが悪くなる場合があるので、バランスが悪いまま投球動作に行かないように」

 投球のバランスをとるために、左足を高く振り上げるの投球フォームになったという森脇。「バランスが悪いまま投球すると、コントロールにも悪影響を与える」とも付け加えた。

 プロ初キャンプで、自らのやるべきをことを見据え、周りに左右されることなくアピールを続けている26歳。ただ、一つだけ気がかりなことがある。それは自宅で帰りを待つ2人の小さな子供たちだ。

「会えないのは寂しいですね。でも、嫁さんが動画を送ってくれたり、TV電話をかけてくれたりと色々してくれています。まぁ、ちょっと寂しいですけど『その分、パパは頑張るぞ』です」

 26歳からのプロ入りで初年度から勝負の年となる森脇が、チーム内競争から這い上がり、愛する子供たちに笑顔を届けられるのか。オールドルーキーの奮闘は始まったばかりだ。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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