西武投手陣の“再建”は? 投手コーチは「合格点」与える「想像以上に良かった」

西武・小野和義投手コーチ【写真:岩国誠】
西武・小野和義投手コーチ【写真:岩国誠】

投手陣再建を託された小野投手コーチ「競争は個々の能力を高める」

 宮崎・南郷スタジアムで行われている西武A班春季キャンプは3日、早くも第1クールが終了。パ・リーグ連覇、そして日本一へ向けて大きな課題となっているのが投手陣だ。連日、各ピッチャーがブルペンで気迫のこもった投球を見せ、猛アピールしていた。投手陣再建を託された小野和義投手コーチはどう見ているのか。

「伸び悩んでいた若い投手陣が(自主トレで)一生懸命やってきた、作ってきたというのが、しっかりボールに現れていた3日間だった。想像以上に良かったと思います」と、第1クールの投手陣に「合格点」を与えた小野コーチ。しかし、「バッターが立ってからどうかが勝負になってくる。あくまでその前段階である『1軍レベルのボールを投げられる』ことに対して、想像以上に良かったということ」と、準備段階としての合格点であることを強調した。

 就任時にリーグワースト2位の511個(故意四球を含む)だった四球を減らすことを掲げていた小野コーチだが「それはこれから。打者に投げないことには、ブルペンでいろいろ話しをしてもわからない」と話す。一方で、「打者有利なカウントを作るくらいなら、どんどんストライクゾーンで攻めていきなさいよと。1球目で打たれてもいいから、どんどん攻めていきなさいよと。そういう意識を植え付けていく。今はその段階ではないが、これから徐々にやっていきます」と続けた。

 初日から活気のあったブルペン。この第1クールでは、連日多くの球数を投げている高木勇人投手をはじめ、齊藤大将、野田昇吾、武隈祥太の左腕3人のほか、松本航、粟津凱士、森脇亮介のルーキー3投手、計7投手が3連投で猛アピールした。さらに、第1クール最終日の3日に、ブルペン入りの予定がなかった榎田大樹投手も約40球ほどブルペンを使っての投球練習を行っている。

 競争意識が高まってきた西武投手陣。故障上がりの投手がB班スタートとなったことによって、A班に選ばれたメンバーは比較的若い投手が多いが、これも首脳陣の狙い通りだ。「いい意味での競争というのは、ものすごく個々の能力を高めていきます。それがなかったら馴れ合いになってしまいますし、強いチームにはなっていかない」と、各選手の競争心を煽ることも視野に入れてのメンバー構成だと小野コーチは語る。そして「やはり競争力というものは必要な部分だと思うし、できる限りそういう環境を作っていきたい」と、今後の紅白戦でも同タイプの投手同士の投げ合いなども視野に入れている。

 第1クールとしては最高の滑り出しとなった投手陣。今後、激化が予想されるチーム内での競争を勝ち上がり、首脳陣の信頼を掴み取るのはどの投手か。第2クールからの西武投手陣も、やはり目が離せない。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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