広島ドラ1小園はハイレベルな世界を楽しむ“野球小僧” 「緊張はなくなりました」

強靭な下半身ができた転機は高校2年秋、1年で体重は11キロアップ

 野球でも、ミスをしてその日は落ち込んでも、翌日になれば切り替えもできる。昨秋のU18アジア大会の韓国戦で1試合3失策を記録した際はさすがにショックを隠せなかったが、1週間後に取材に応じてくれた時は「このミスがいつか役に立つ時が来る」と悔しさを今後の野球人生に生かすことを誓い、むしろ燃えているようにも感じた。

 日本代表から帰郷後は野球を忘れて休みたいとも思うだろうが「自分には野球しかないんで」と、外にいる時は制服か練習着しか身にまとうことはなかった。

 今、絶賛されている下半身の分厚さは高校2年秋からの積み重ねの結晶でもある。2年秋までの小園は、どちらかというと全体的に“ひょろっとした上手い遊撃手”というイメージだった。だが2年秋の10月に公式戦を終えてから、徹底的に食事量を増やした。朝の7時に朝食。登校して朝練後に持参したおにぎりをほお張る。お昼休み前に学校の売店で天むすを食べ、昼休みに弁当、練習前にはおにぎり、と計7食。

 こず江さんは白米を少しでも美味しく食べてもらおうと電気炊飯器ではなく土鍋でご飯を炊くなど工夫も凝らした。お陰で体重は1年間で11キロもアップ。17年秋の日本代表のユニホームはSサイズだったが18年日本代表ユニホームはLサイズになるなど、見違えるほどたくましくなっていた。

 日に日に期待の熱は高まるが、本人はそれでも重圧とは思っていない。「すごい方がいて、その中で練習させてもらえるのはありがたいです。このまま1軍キャンプでとにかく1日1日をしっかりやり切りたいです」。むしろハイレベルの世界を楽しんでいるようにも見える。失うものはない。先輩たちの動きを目で吸収し、自分のものにするだけだ。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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