ロッテ井口監督が児童と交流 「初心を思い起こさせてくれる場所」

石垣市内の児童養護施設を訪問したロッテ・井口監督と選手たち【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
石垣市内の児童養護施設を訪問したロッテ・井口監督と選手たち【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

ロッテ移籍時から10年続く児童養護施設訪問

「みんな大きくなったかな」

 井口資仁監督は、練習が終わるといつもより少し早めに帰りの車に乗り込んだ。この日は前から決めていた予定が入っていた。石垣市内の児童養護施設の訪問だ。

「毎年、訪問するのを楽しみにしている。子供たちが成長していくのを見ることができる。コアラのマーチとかロッテのお菓子がもらえるから喜んでくれているのではないかな」

 グラウンドでは厳しい目で選手たちの動きを見つめる指揮官の表情が久しぶりに和らいだ。その柔和な表情こそ本来の顔。この時ばかりはマリーンズの大将という肩書きを置いて、子供たちと笑顔で接した。

 同施設の訪問は千葉ロッテマリーンズに入団した2009年から毎年行い今回で11年目となる。チーム宿舎の近くに児童養護施設があると聞き「それならばぜひ訪問したい」という強い希望で実現し、監督となった今も続く。この日を待ちわびた子供たちからは歓声が上がる。施設内には「いつも夢をありがとう」という手作りの、のぼり旗も設置されていた。

 今回は毎年、一緒に訪問をしている地元石垣島出身の大嶺祐太投手のほか、初訪問となる荻野貴司外野手、藤岡裕大内野手、岩下大輝投手、種市篤暉投手を誘った。

「こういう活動も含めて若い選手たちには教えていきたい。いいキッカケになればと思った」と井口監督はその意図を話した。

 キャッチボールに質問コーナー、サイン会に写真撮影、そしてコアラのマーチにトッポなどのロッテのお菓子をプレゼントし、手作りの首飾りをもらった。気づけば楽しい時間はあっという間に過ぎていた。
 
「子供たちも非常に頑張っていますし、僕らも勇気と希望をなんとか与えたいと思っている。いつも子供たちがボクたちの姿を見てくれていると思ってシーズンを戦っていきたい。どんな場面でも諦めずに戦い、勇気や希望を与える存在になりたい」

 就任1年目だった昨年はキャンプイン前日の1月31日に訪問。子供たちに健闘を誓った。そして今年、またこの場所を訪れ子供たちに勝利をプレゼントしたいという想いをもう一度、新たにした。ここは大事な初心を思い起こさせてくれる場所にもなっている。

受け継がれていく“ゴールデンスピリット”

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