「お客さんがすごかった」地元も驚く田中将大、闘将のいた楽天久米島キャンプ
空港ロビーにはグッズも、今では楽天第2のホームタウンに
今年で15シーズン目。久米島町は東北楽天ゴールデンイーグルスの第2のホームタウンになった。久米島空港の1階ロビーには、チームリーダーの嶋基宏捕手の装備一式が飾られている。また楽天の選手のサインやユニフォームも展示されている。今年から展示スペースが変更になったが、久米島空港のイーグルスコーナーは、名所になっている。
久米島球場の周辺は一面のさとうきび畑。緑の中にグラウンドが浮かんでいるように見える。1軍は久米島球場に移ったが、2軍は依然、仲里球場でキャンプを続けている。最近は、熱心なファンが仲里球場まで押し掛けるようになった。
実は、2002年3月まで、仲里球場と久米島球場のあるエリアは別の自治体に属していた。仲里球場のあるエリアは仲里村(なかざとそん)、久米島球場のあるエリアは具志川村(ぐしかわそん)。同じ島でも2つの村は琉球王国時代から別の文化と歴史を持ち、対抗意識があった。人口もほぼ同じくらい。平成の大合併の一環で合併の話が出た時も、合併後の新庁舎の位置をめぐり対立が起こったくらいだ。合併後3年目に楽天の春季キャンプが始まった。
久米島町中心街にある飲食店の店主は「楽天がキャンプに来てくれたので、両村の人が一緒になって応援することができた」と語る。図らずもイーグルスは、新生久米島町の融和に貢献していたのだ。
2月8日を最後に、楽天の1軍は、二次キャンプのため、沖縄本島の金武町(きんちょう)に移動した。久米島球場には仲里球場から2軍が移ってくる。ファンや報道陣は減るが、地元の人々は2軍にも変わらず熱い声援を送っている。
(広尾晃 / Koh Hiroo)