黒人唯一の3冠王、初のメジャー監督… フランク・ロビンソン氏の偉業を振り返る

MLB通算10位となる586本塁打を放ち、3冠王も獲得

 選手としては1976年に引退。77年は監督専任となったが、シーズン途中に解任される。しかし、1981年にサンフランシスコ・ジャイアンツの監督になる。さらに1988年には古巣のオリオールズ、2002年にはモントリオール・エキスポズの監督に就任。監督としてはリーグ優勝はできなかったが、弱小チームを立て直す手腕は高く評価され、オリオールズ監督時代の1989年には最優秀監督に輝いている。2006年、エキスポズの後身、ワシントン・ナショナルズの監督を最後に引退した。

 選手としての通算成績は2808試合10006打数、2943安打586本塁打1812打点、打率.294新人王、MVP2回、首位打者、本塁打王、打点王各1回。屈指の強打者ながら3冠王をとった1966年以外は、打撃タイトルには縁がなかった。通算本塁打数は歴代10位。オールスター出場は12回(選出は14回)。守備位置は左翼と一塁。185センチ83キロ、がっちりした体の右打者だった。足も速く、通算204盗塁を記録している。

 監督としては16シーズン、1065勝1176敗、勝率.475。最高位は2位(2回)。エキスポズ時代には、大家友和、吉井理人が在籍していた。大家はロビンソン監督の下で、2002年にキャリアハイの13勝を挙げている。殿堂入り資格1年目の1982年、89.2%の得票率で野球殿堂入り。この年は、同じ年に引退したハンク・アーロンも1年目で殿堂入りしている。背番号「20」は、在籍したレッズ、オリオールズ、インディアンスの3球団で永久欠番になっている。

 フランク・ロビンソンは、同姓のジャッキー・ロビンソンが切り拓いた黒人メジャーリーガーの道を更に広く押し拡げた、歴史的な大選手だったと言えるだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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