キャッチボールは約8分…菊池雄星、MLBの“時短”キャンプに「もう終わるんだ」

チームメイトと談笑するマリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】
チームメイトと談笑するマリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】

練習時間は想像を超える短さも「だからこそ自分自身で考えながら」

 西武からポスティングシステム(入札制度)でマリナーズに移籍した菊池雄星投手が12日(日本時間13日)、米アリゾナ州ピオリアでキャンプ初日に臨んだ。

 45分間のミーティングを終えフィールドに出ると、背番号「18」の水色のユニホームに初めて袖を通した菊池に同じ左腕のマルコ・ゴンザレスが歩み寄る。開始前の談笑が気持ちを和らげたのか、時に笑顔を交える軽快な動きでアップ、キャッチボール、守備練習などのメニューを消化。バッテリー組初日は1時間10分ほどで終了した。

「短い時間でしたが、楽しくアメリカの流れ、システムを確認しながら本当に楽しい時間を過ごせました」

 とは言うものの、想像を超える短さには「実際やってみると『もう終わるんだ』というところはあります」と戸惑いを隠さない。しかし、確かな収穫があった。夢舞台で実力を発揮するための大切なポイントを感じとっている。

「だからこそ自分自身で考えながらルーティンを作っていくことが求められると思う。そこも楽しみです」

 日本とは比較にならない“時短”の大リーグキャンプ。余談ながら、練習後、引き上げる際に行った即席のサイン会に費やしたのは、キャッチボールとほぼ同じ「8分」だった。

 菊池は13日(同14日)にキャンプ初のブルペン投球を行う予定。前後の流れはイメージができていないと言うが、明確にしているのは「初めて投げるキャッチャーばかりだと思うのでコミュニケーションをとってやっていきたい」。捕手との意思疎通を図る空間で「まだ調整段階ですが、しっかりとオフシーズンやってきたことを出せるように、しっかりとアピールしていきたい」と言葉に熱が帯びる。

「日本人のピッチャーにとっては特別な番号ですし、岩隈さんが長い間つけて活躍していました。その流れに乗っかってというか、いい形で応えられるように投げたいと思います」

 大リーグ通算63勝を挙げた先輩に続く活躍を誓う左腕の挑戦が始まった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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