中日、一本足打法の育成出身25歳が2ランでアピール「這い上がっていけるように」

本塁打を放った中日・渡辺勝【写真:荒川祐史】
本塁打を放った中日・渡辺勝【写真:荒川祐史】

途中出場で9回に右翼スタンドへと飛び込む2ランを放つ

 中日の渡辺勝外野手が“プロ初アーチ”を放った。17日、沖縄・浦添市の「ANAボールパーク浦添」で行われたヤクルトとの練習試合。試合途中から出場していた育成出身の25歳は、右翼ポール際スタンドに飛び込む嬉しい2ラン本塁打を放った。

 5点のビハインドを背負って迎えた9回。二塁内野安打で出塁したルーキー滝野を二塁に置き、途中から左翼に入っていた渡辺はこの日最初の打席に立った。3ボール1ストライクからの5球目。ヤクルト田川が投じた136キロを捉えると、快音が響いた。打球は右翼線に舞い上がると、そのまま切れることなく芝生席に着弾。2点を返す2ランで、自慢の打力をアピールした。

「あまり手に感触はなかった。1打席しかなかったので、初球から全部打ちにいく姿勢でいました。結果を出したいというよりも、(強くバットを)振れるというところをアピールしたかった」と振り返った渡辺。そのフォームは独特で、王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)や大豊泰昭氏を思い起こさせる一本足打法だ。

 現役時代の王貞治氏を育てた荒川博氏の主宰する「荒川道場」で指導を受けていたことから「一本足打法」で打っている。東海大相模高、東海大を経て、2015年の育成ドラフト5巡目で中日に入団した。昨季はウエスタン・リーグで68試合に出場して打率.244、2本塁打。オフに支配下昇格を勝ち取り、キャンプでは主力が集う北谷組に抜擢された。

 平田良介や大島洋平という外野手のレギュラーが読谷組でマイペース調整をする中、開幕1軍入りをかけた競争が続く。「数少ないチャンスですけど、這い上がっていけるように頑張りたいと思います」と語った渡辺。この日、中日打線が奪った全得点を叩き出した。与田剛監督ら首脳陣にもいいアピールになったはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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