イチロー、「新型打撃フォーム」を支える幾つもの思い 45歳で目論む「裏切り」
「力を溜めて呼び込む」新型打撃フォームの意図は…「言わなくてもいいんじゃない」
マリナーズとマイナー契約を交わし、招待選手として大リーグ19年目を目指すイチローが16日(日本時間17日)、キャンプ初日を迎えた。一番の興味は、前日15日の自主練習で行ったケージ内打撃を遠巻きにして気付いた、「新型打撃フォーム」のお披露目だった。
冷たい風が吹くフィールドのケージに入ったイチローは、漆黒のバットをいくぶん投手寄りに傾け構える。少し落とした両膝は投手のモーションに合わせたテークバックとともにさらに沈み始動。ベールを脱いだ「フルモデルチェンジ」の打法にカメラのシャッター音が一斉に響く。
ボールを待つ動作に「柔らかさ」があった従来型とは異なり新型は「力を溜めて呼び込む」印象がある。そのフォームから繰り出した鋭い25スイングで、5本の柵越えを放った。練習後、この打法に水を向けられたイチローは笑い交じりに返した。
「そんなこと言わなくてもいいんじゃない」
技術に関して、イチローはこれまでも多くは語っていない。それが手探り状態であればなおさらである。そして、この改良が「19年型」の確約ともならない。