市場「凍りつく」MLB 14年に史上最高契約のスタントン「もの凄く幸運だった」

ヤンキースのジャンカルロ・スタントン【写真:Getty Images】
ヤンキースのジャンカルロ・スタントン【写真:Getty Images】

ハーパー&マチャドも未契約、スタントンは“余裕”「契約先が見つかることを祈ってる」

 今オフもメジャーリーグのフリーエージェント(FA)市場は停滞している。各球団は続々とキャンプインしているが、目玉のブライス・ハーパー外野手、マニー・マチャド内野手は未契約のまま。当初、2人はメジャー史上最高の超大型契約を結ぶ可能性があるとも見られていたが、予想されていたようなオファーは届いていないようだ。

 選手の年俸高騰は昨オフから“ストップ”状態で、クレイトン・カーショー投手、ジャスティン・バーランダー投手、マイク・トラウト外野手といったスーパースターが現状に不満を漏らす事態に。そんな中、ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手は、自身が2014年オフに当時所属していたマーリンズとメジャー史上最高総額の13年3億2500万ドル(約360億円)の契約を結んだことを「もの凄くラッキーだった」と振り返っている。

 特集を組んだのは地元紙「ニューヨーク・ポスト」だ。「FAが凍りつく前に大金を得たことを、ジャンカルロ・スタントンはラッキーだと感じている」とのタイトルでレポート。記事では、メジャーのFA市場の状況を「惨憺たるもの」と表現し、スタントンが「現在のシステムには問題がある」と語ったことにも言及している。メジャー屈指のパワーを持つ大砲は「僕がキャリアをスタートさせて以来、このような事態は見たことがない。オフシーズンがこんな風になるとはね。解決すべき問題がいくつかあると思う」とも話したというのだ。

 スタントンは14年オフにメジャー史上最高総額の契約を結び、2017年にはナ・リーグ本塁打王に輝いてMVPを受賞した。そして、その年のオフに超名門ヤンキースにトレード移籍。今季2年目を迎える。一方で、メジャーのFA市場は昨オフから急激にスローに。高騰の一途をたどっていた選手の年俸も抑えられる傾向にある。

 記事では「今オフシーズンが始まったとき、遅かれ早かれマニー・マチャドかブライス・ハーパーが(スタントンの契約の)合計金額に迫るか、あるいはその金額の記録を破ると思われていた」と回顧。ただ、26歳と若い2人ですらオファーは抑えられているようで、スタントンの契約を超える選手は今後現れないかもしれない。

 年俸の額が徐々に増えていく「バックロード方式」で、トレード拒否条項が含まれているなど、選手に有利な要素も多いスタントンの契約。本人は同紙の取材に対して「(契約を結べたことは)間違いなく、もの凄くラッキーだった」と話したという。

 記事の最後には「彼ら(ハーパーとマチャド)が金額を上回るのであれば、それは凄いと思うけど、契約先が見つかることを僕は祈ってるよ」と“余裕“のコメントも……。その能力が圧倒的だからこそ結べた大型契約ではあるものの、スタントンは間違いなく「勝ち組」の一人だと言えるだろう。

(Full-Count編集部)

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