菊池雄星、初の実戦形式登板で直球に手応え「差し込めている球もあった」

ライブBPに登板したマリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】
ライブBPに登板したマリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】

最速148キロ、安打性は2本で空振り4つを奪う

 マリナーズの菊池雄星投手が19日(日本時間20日)、米アリゾナ州ピオリアでのキャンプで初の実戦形式の投球練習(ライブBP)を行った。正遊撃手のベッカムら打者4人に対して30球の投球。安打性の当たり2本で最速は92マイル(約148キロ)、空振りを4つ奪った。投球後「まだまだ、制球の部分だったり(課題と)するのはありますけど、最初にしては悪くなかったです。直球に関しては空振りも何回かとれていたし、差し込めている球もあった。精度を高めていけばいい球になるのかなと思います」と振り返った。

 チームから25~30球の指示を受け、マウンドに立った。初の打撃投手とあり、ストライクを入れること、打者に打たせることを意識しなくてならなかったため、多少の力みはあった。「ボールがちょっとシュートしていた。最後の5、6球で『体重移動をしないとな』と意識して、なんとかいい軌道で投げられました。その感覚は忘れずにいたいです」と徐々に対応していった。

 順応していかなくてはならないのは、やはりメジャーのボール。日本での自主トレではボールの感覚はあまり気にはならなかったが、アリゾナは気候も異なり、空気も乾燥していため、ボールの感覚の違いは出てきた。「そこは乗り越えないといけないところだと思いますし、オープン戦ほとんどの試合をアリゾナで終えるので、アピールする意味でも早く適応しないといけない」と課題を口にした。サービス監督は「彼は問題なくて、順調にきている。乾燥や新しい球など、そうした日本と異なることに少し取り組む時間が必要なだけだ」と理解を示している。

 この日、一番、確認したかったのは直球の指のかかりだったため、自分の意思を貫き、捕手の変化球のサインに首を振る場面もあった。課題のスライダーでは安打を打たれたが「(スライダーは)ちょっと抜けるボール、膨らんでしまうボールがあるので、修正が必要ですけど、真っ直ぐが思いのほか、いい球が行っていたので、自然とスライダーがまっすぐと一緒に上がってくれば……」と悲観はしていない。指揮官によると、ライブBPはオープン戦登板まであと1回行う予定。ボールの感覚を研ぎ澄まし、開幕まで状態を上げていく。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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