松坂フィーバー、まさかの“影武者”も… 現在は2球団の高知春季キャンプ

西武の谷中が背番号「18」のユニホームを直用し松坂の影武者に…

 この年2月6日に松坂がブルペンで初めて投げた時は、1000人のファンが取り囲んだ。2月14日、バレンタインデーには1万4000人ものファンが駆け付け、届けられたチョコレートは1200個に上った。宿舎やメイングラウンドに移動するときは、ファンが周囲を取り巻いた。他の選手の移動にも支障が出たので、球団側は背格好が似た谷中真二に「18」のユニフォームを着せて「影武者」を演じさせくらいだ。

 7歳年上の谷中は「悔しい気持ちはある。野球で見返したい」と語っていた。この年は、阪神タイガース監督に野村克也が就任。高知・安芸市のキャンプにも多くのファンが駆け付けた。高知市内の主要なホテルは満室。繁華街も大いににぎわった。

 あれから20年、高知の春季キャンプは、すっかりおとなしくなったが、20日、21日に春野球場で行われた西武1軍と台湾統一の「ライオンズ対決」は、平日にもかかわらず多くのファンが駆け付けた。往時は多くの出店があったが、今は球場内の食堂が1件営業しているだけ。しかし、350円のうどんと高知特産の柚子で味をつけたちらし寿司はよく売れていた。

 22日の高知、東部球場での西武2軍と四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスの練習試合は、松井稼頭央2軍監督のデビュー試合となった。高知、駒田徳広監督の呼びかけで実現した試合だが、松井稼頭央もプロデビューは高知の春野球場。思い出の地で松井2軍監督は、指導者としてデビューしたのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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