「ダルビッシュはカブス復活の鍵」―米誌が特集、キャンプで「素晴らしい兆し」

カブスのダルビッシュ有【写真:田口有史】
カブスのダルビッシュ有【写真:田口有史】

世界有数の経済誌「フォーブス」がダルビッシュを特集

 昨オフに大型契約でカブスに加入したダルビッシュ有投手。しかし、移籍1年目となった昨季は故障の影響もあり、トミー・ジョン手術の影響で登板のなかった2015年を除いて日米を通してキャリア最少1勝にとどまるなど、悔しいシーズンとなった。昨年9月には右肘クリーニング手術を受け、手術明けとなる今季は真価が問われる1年となる。

 そんなダルビッシュに注目しているのは、スポーツメディアにとどまらない。世界有数の経済誌「フォーブス」が「ユウ・ダルビッシュはカブス復活へのカギだ」との記事を掲載し、全米で話題となっている。

 昨シーズン、2016年以来のチャンピオンリング獲得を目指したカブス。95勝を挙げワイルドカードでポストシーズンに進出したが、ロッキーズに敗戦した。今季に向け、オフで弱点補強に動きたかったカブスだったが、ここまで目立った補強はなし。記事では「カブスが2019年シーズンで『敗者』として新シーズンを迎える」と言及されている。

 昨季と同じくブルワーズ、カージナルス、そしてカブスの三つ巴の争いと予測されているナ・リーグ中地区。ヤスマニ・グランダル捕手(ドジャース→ブルワーズ)やポール・ゴールドシュミット内野手(Dバックス→カージナルス)らの獲得といった補強を進める2球団や、地味ながらトレードで戦力を集め、“ダークホース”になりそうなレッズらに比べ、カブスは静かなオフを過ごしている。「ハイレベルな中地区で(カブスが)トップに返り咲くにはユウ・ダルビッシュが健康で戻ってくることが1つの重要な鍵となるだろう」と、この右腕の復活こそが他球団に対抗できる“補強”になるだろうと分析されている。

 24日(日本時間25日)のジャイアンツ戦でスプリングトレーニング開幕を迎えるカブス。「ダルビッシュはこの時期に90マイル前半から中盤のボールを投げており、これらすべては素晴らしい兆しだ」と、ここまでの右腕に関する報道がポジティブな内容であると紹介。レギュラー開幕へ向けた調整は順調であることをうかがわせている。

 今季ダルビッシュは先発ローテの一角として期待されているが、記事では現状のチームの先発陣には不安が残ると説明。「最も安定感のある投手はレスターとヘンドリックスだが、35歳のレスターは年々衰え始めている。ヘンドリックスも悪くはないが、防御率リーグ1位(2.13)だった2016年ほどの投球ができていない。シーズン途中に加入したハメルズは移籍後好投(4勝、防御率2.36)しているも、年齢上の不安からいつまで活躍できるか不透明だ。キンタナは丈夫でイニングを稼いでいるが、期待値からすると物足りない」と分析しており、楽観視できないとしている。ほかの先発投手にはテイラー・チャッドウッドとマイク・モンゴメリーがいるが、それでも万全とはいえないだろう。

 ダルビッシュについて、記事では「もし健康ならば、彼は自力でローテーションを支えられる」とその能力に関しては全く疑っていない。その根拠として、昨年4月7日と27日のブルワーズ戦、シーズン最終登板だった5月2日のレッズ戦の3試合で「その片鱗をみせた」と紹介。また、日本時代を含めたこれまでの実績も根拠の1つになる、と言及。「日本ハムで素晴らしい投球をし、メジャーでは球宴4回、サイ・ヤング賞候補に2度選ばれた」と期待している。

 「ダルビッシュは投げるだけでなく、“良い”投球のできる投手だ」と記事では評価されている。日本時代は5年連続で防御率1点台、渡米2年目の2013年にはサイ・ヤング賞投票で2位に入るなど、支配的な投球を続けていた。完全復活へ故障を乗り越えマウンドで再び躍動する姿に期待したい。

(Full-Count編集部)

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