「悔しがるがいいMLB」米野球記者の“日本横断プロ野球観戦記”

神宮→東京ドーム→甲子園→マツダスタジアム「ワイルドで歌を歌うような応援は試合そのものに匹敵するほどのショー」

 高校野球の聖地でもある甲子園も訪問したようだ。本拠地とする阪神については「この地域で最も有名なチーム」と伝えられ、カブスの本拠地で1914年開場と世界2番目に古いリグレー・フィールドが甲子園のモデルになっていること、過去にベーブ・ルースも訪れたことがあることについて言及。そして、熱狂的な虎党も好意的にうつったようだ。記事では、こう綴られている。

「一旦そこでの試合を見始めると、ベーブ・ルースやMLBのことはすぐ頭から離れることだろう。虎の縦縞模様の帽子をかぶったファンたちに囲まれ、彼らはお好み焼きやほかの美味しい地元の食べ物を食べながら、ホームチームを応援する。虎のマスクを誇らしげに被っている最前列のある男性は、9回まで踊り続け、荒々しく揺れながら応援を引っ張っている。(MLBでいうところの)セブンスイニング・ストレッチでは、ファンが赤と黄色の風船を膨らませ、それを揺らしながらアップテンポな応援歌を歌っていた。ファンたちが風船を放った時、私はうっとりとした。夜の空に黄色と赤の風船が音をたてながら飛んでいく様子に、私はその数分間子供に戻ったような感覚になった」

 同記者は広島の本拠地・マツダスタジアムへも向かったようだが、昨夏に起きた豪雨の影響で試合中止。それでも、広島の街について「広島は歴史が染み込んでいる。博物館や観光地は訪問者であふれてはいるものの、地元の人々は愛してやまない広島東洋カープに夢中だ。この球団はNPBで唯一、地域が保有する球団だ。広島を歩けばそこらじゅうにカープの旗や飾りやストリートアートがある」と伝えられている。試合観戦はかなわなかったものの、カープグッズが販売されているチームストアも訪問。「カープの頭文字のロゴである大きな『C』は、シンシナティ・レッズにとても良く似ていて、特に面白いと思った」と綴られている。

 神宮球場→東京ドーム→甲子園→マツダスタジアムと日本横断した観戦記。「MLBに次ぐ世界で二番目にハイレベルなリーグであるNPBは、私を失望させることはなかった」と記していた同記者は、こう記事をまとめている。

「(NPBは)真剣勝負の楽園。ライバルファンは熱烈でありながらも友好的で、食べ物は新鮮かつエキゾチックだった。そして、ワイルドで歌を歌うような応援は、試合そのものに匹敵するほどのショーである。悔しがるがいい、MLB」

 MLBに負けない、世界へ誇る魅力的な野球は日本にもある。

(Full-Count編集部)

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