中日荒木コーチ「邪魔したくない」引退試合、2番・DHでの出場のワケは…

背番号「2」のユニホームを身に着け引退試合に臨む中日・荒木雅博【写真:福谷佑介】
背番号「2」のユニホームを身に着け引退試合に臨む中日・荒木雅博【写真:福谷佑介】

有吉が投じた2球目を捉えた打球は三塁・鈴木の正面に

■中日 – ロッテ(オープン戦・3日・ナゴヤドーム)

 中日の荒木雅博元内野手(現2軍内野守備走塁コーチ)が3日、ロッテとのオープン戦で引退試合に臨んだ。昨季限りで現役を引退し、今季からコーチを務める荒木は「2番・指名打者」で先発。初回に巡ってきた最後の打席は、ロッテ先発の有吉の前に三ゴロ。スタンドのファンから大きな拍手が送られ「すごい拍手で終われて幸せでした」と感謝した。

「23年間やり続けてきた習慣だったので、入らせてもらいました」。試合直前はウォーミングアップ、キャッチボール、シートノックと現役時代と同じルーティンで引退試合へと向かった荒木氏。「23年間で初」という指名打者での出場となった。

 初回に回ってきた打席。初球は見逃しのボール。続く2球目、有吉が投じた135キロの真っ直ぐを打った打球は三ゴロ。「ストライク気味の球をボールと言ってもらって、慌てて打っちゃいました」と、苦笑いで振り返った。

 ベンチ前では選手たちや首脳陣に迎えられ、握手を交わしていった荒木氏。「オープン戦の大事な時期に邪魔しにきたような身なのにありがたいですね」と恐縮。「2番・指名打者」での出場も「大事な時期に邪魔したくない気持ちがあった」と心中を明かした。

 二塁の守備に就くことや、1番での出場などのプランもあったようだが、これは荒木自身が固辞。「オープン戦も限られている。競争している中で1打席でも多く欲しいという若手がいる。自分の我を通すことはできなかった」というところに荒木の人柄が滲み出た。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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