全ては1枚のチラシから… 楽天移籍の熊原は故郷で躍動へ「特別な思いはある」

楽天の入団会見に臨んだ熊原健人【写真:高橋昌江】
楽天の入団会見に臨んだ熊原健人【写真:高橋昌江】

2005年創設の楽天とともに野球人生がスタート「地元に帰ってこられて特別な思い」

 DeNAから楽天に交換トレードで移籍した熊原健人投手が27日、楽天生命パーク宮城内で入団会見を行った。宮城県出身の右腕は「地元に帰ってこられて、特別な思いがあります」と話し、「チャンスを掴み取れるとようにこれから取り組んでいきたい」と決意を口にした。背番号は「59」に決まった。

 大学を卒業するまで、夢に向かって努力を続けた生まれ故郷に帰ってきた。左腕・濱矢広大投手との交換トレードに熊原は「こういう形で帰ってくる。昨日は不思議な縁というか、そういうのを感じた1日でした」と心境を語り、「まずはしっかり腕を振って、自分らしくどんどん打者に向かっていく」と力を込めた。

 2015年のドラフト会議でDeNAから2位指名を受けてプロ入り。1年目は18試合に登板したが、2年目は先発で4試合のみ。3年目の昨季は一軍登板がなく、通算成績は22試合で4勝2敗、防御率5.14。楽天で心機一転をはかる。同席した安部井寛チーム統括本部長は「先発ローテーションのピッチャーとして期待して来ていただきました。これからまず2軍に合流していただいて、パフォーマンスを見せていただき、1軍の戦力となれるように期待しております」と話した。

 熊原の野球人生は楽天とともに歩んできたと言っても過言ではない。宮城県の南部にある角田市で生まれ育った熊原が野球を始めたのは2004年、北郷小5年の冬。幼稚園から水泳を続けてきたが、少年野球チーム「桜ドラゴンズ」の選手募集のチラシを見て心が動いた。その年、プロ野球は球界再編問題に揺れ、宮城県をフランチャイズとする「東北楽天ゴールデンイーグルス」が誕生していた。だが、熊原は「桜ドラゴンズ」入団3日目に右手首を骨折。奇しくも楽天の創設1年目の2005年、小学6年の春から本格始動となった。

 北角田中では主に遊撃を守っていたが、1人の豪速球右腕に憧れた。仙台育英高・佐藤由規投手(現楽天)だ。甲子園史上最速の155キロを投じる姿に中学2年の熊原の目は輝いた。「かっこいい。ピッチャーをやりたい」。柴田高で投手を志望し、目標は155キロに設定した。

少年時代は仙台育成・佐藤由規、大学時代は岸孝之が憧れだった「一緒にやるのは不思議な感じ」

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