田中将大、4度目開幕投手へ自然体「本当に成長した姿を見せることができれば」

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

2017年の試行錯誤を乗り越え「多くのことを学んだ」

 ヤンキースの田中将大投手が27日(日本時間28日)、翌日に控えたオリオールズとの2019年開幕戦登板に向けて、軽めのキャッチボールと走り込みで調整した。記者会見では日焼けした顔に笑顔を浮かべる場面もあったが、最後は「本当に成長した姿をオープニンゲームの中でも見せることができればと思っています」と表情を引き締めた。

 日本人メジャー投手では最多となる4度目の開幕投手を28日(同29日)に控えた田中は、終始落ち着いた様子。日米報道陣が集まる中、会見室に登場すると「こうしてたくさんの方の前で話をするということで、緊張感はやはりグッと増してはきています」と話したが、その顔に浮かぶのは充実の表情だ。

 前回、開幕戦のマウンドに上がったのは2017年だった。オープン戦では6試合に投げて、許したのはわずか2失点(自責1)で防御率0.38。万全かと思われた開幕戦だったが、レイズを相手に2回2/3で7失点と炎上した。ここから2017年は思うような結果が出ず、試行錯誤が続く苦しいシーズンに。だが、終盤に状態が安定すると、プレーオフでは3試合に投げて1勝1敗、防御率1.38という素晴らしい結果を残した。

 この試練を乗り越えたことは「17年のシーズンの中で自分は多くのことを学びました」と、田中にとって大きな財産になっている。「それを17年のプレーオフに結果にもつなげられたと思うし、昨年のレギュラーシーズン、プレーオフのゲームにもつなげられたと思っている。また本当に成長した姿をオープニンゲームの中でも見せることができればと思っています」と、地元ニューヨークのファンに好投を披露すると誓った。

 2月に日本を旅立つ時、開幕投手へのこだわりは見せなかったが、開幕日に向けて準備を進めると話していた。その姿勢はキャンプ中も「自分の中では目の前にあること、自分のやらなければいけないことに対して向き合って、しっかり1つ1つやってきた感じ」とぶれていない。

 今季はオープン戦で5試合に投げ、2勝無敗、防御率2.65と上々の仕上がりだ。2014年に右肘を痛めて以来、お約束のようになっていた肘に関する質問がキャンプ中に投げかけられることはなく、この日初めて地元メディアに聞かれると、「今、そう言われて思い出しましたね、聞かれてなかったことを(笑)。それくらいの感じです。なんで、状態良くしっかりと投げることはできると思います」と笑顔がこぼれた。

 過去3度の開幕戦は2度黒星を喫し、1度は勝敗がつかず、勝利を飾ったことはない。4度目となる今季は、一回り大きくなった投球でチームを快勝に導きたい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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