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「だから彼はスペシャル」レンジャーズ秋信守がイチローへの敬意を隠さないワケ

デビューしたのは2005年4月21日、22歳の時だった。あれから15年。秋信守は3度ユニホームを変えたが、37歳を迎える今季も現役としてプレーする。高校卒業後、韓国プロ野球を経ずにマリナーズとマイナー契約。ミレニアムに沸いた2000年のことだった。その翌年、同じくアジアから太平洋をわたり、マリナーズに入団したのが、他でもないイチローだった。

イチローへの尊敬の念が頂点に達したのは…

 外野手として認められ、メジャーリーガーの仲間入りをした秋にとって、対戦相手となったイチローと言葉を交わす機会も増えた。互いにキャリアを重ねる中で、いつ会っても体格はもちろん、パフォーマンスの質がまったく衰えない背番号51に対する尊敬の念が膨らんだ。だが、その思いが頂点に達したのは、10年連続200安打を達成した時でもなければ、メジャー通算3000安打を果たした時でもない。5月に会長付特別補佐となり、事実上の引退状態にあった昨年のことだという。

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「選手登録を外れてフロントオフィス入りしたのに、それでも変わらず試合に出る準備を続ける姿には、ワォッ、心の底から驚かされたよ。同じ選手として、試合に出ることはないと分かっているのに準備し続けることが、どれだけ大変なのか、想像することすらできない。おそらく、今年の東京開幕戦での出場を目指していたんだろうけど、それでもまったく同じ準備をし続けるなんて、他の人にはできないこと。だから、彼はスペシャルなんだ」

 本当に訪れるか分からない「出場機会」に向けて、淡々と準備をし続ける姿に、秋は心を揺さぶられた。そして、野球に全てを捧げた生き方に感嘆の声しか上がらないという。

「イチローは文字通り、野球に人生を捧げたんだと思う。生活の中心に野球があって、何よりも野球が優先される。野球を愛するからできることだし、その生き方を受け入れ、文句も言わずに支えてくれた家族の存在も大きかったんじゃないかな。僕も野球が大好きだし、このスポーツを愛している。同時に、いつ野球を辞めても構わないと思っている。僕にとって、生活の中心は家族であって、野球ではないんだ。妻や子供たちが僕を必要とする時は、野球を辞めて家族と過ごす選択をする。僕の考え方は少しアメリカナイズドされているかもしれないけれど、野球に全てを捧げてきたイチローの生き方は真似できるものじゃないよ」

 球史に名前を刻んだ“レジェンド“と、ほぼ同じ時期に太平洋をわたり、同じ時期に戦えたことは大きな財産になると笑顔を見せた秋。さまざまな人が、さまざまな形で、イチロー引退に思いを馳せている。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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