米殿堂副会長が明かすイチローの逸話「歴史についても偉大な研究者だった」

イチローは現役時代から25点以上の用具を提供「最大限の協力をしていただいています」

 米野球殿堂では3つの展示場で、メジャーの歴史を彩ってきた様々な記念品を展示している。研究者イチローが足を踏み入れたのは、一般人が目にできない世界だったという。

「米野球殿堂には、試合で実際に使用されたユニフォーム、バット、グラブなど、約40000点が収められています。ですが、実際に展示されているものは、その10パーセントです。イチローの場合、倉庫に招待されるので、彼は全てを目にできる機会があります。彼は先人がフィールドで実際に使っていた用具に大きな興味を持っていました。バットの形状や素材、エキップメントに注目していました」

 シェスタコフスキー氏はこう明かす。そして、イチロー自身もすでにメジャーの歴史の一部となっており、現役中から米野球殿堂に数々の伝説の逸品を寄贈してきた。

「イチローは現役時代から25点以上の記念の用具を提供してくれています。我々はMLB、チーム、選手と協力していますが、イチローはすごく寛大。当初から野球殿堂のミュージアムアーカイブのために最大限の協力をしていただいています」

 輝かしいイチローのキャリアを彩ってきたグッズは米野球殿堂のミュージアムに並べられているが、MLB最多記録のシーズン262安打を記録した2004年の記念品の充実ぶりは素晴らしいという。マリナーズのビジター用ユニフォーム、200本安打、261本目と262本目の安打を記録した際のバット、グラブ、リストバンド、スパイク、サングラス、肘当てが寄贈されている。

 さらには、メジャー挑戦前のオリックス時代に使用していたバットや2006年のワールド・ベースボール・クラシックでの日本代表ヘルメット、2007年のオールスターで史上唯一のランニングホームランを放った際のボール、2016年にメジャー通算3000本安打を記録した際のマーリンズのユニフォーム上下、スパイク、リストバンド、グラブ、肘当て、ソックスも寄贈している。

 変わり種としてはイチローの大ファンとして知られるエイミー・フランツさんが作成したヒット数をカウントする「イチメーター」、そして、音楽家ベン・ギバードが作曲した応援歌「イチローズ・テーマ」の手書きの歌詞も収蔵されている。

 背番号51の輝かしいキャリアの数々のマイルストーンの証人はすでにクーパーズタウンにある。「ハンク・アーロンは殿堂入り後に全ての用具を寄贈してくれました。イチローもかつて、全てを寄贈したいと話していました。彼の殿堂入りの有資格一年目は2025年にやってきます。その日が来れば、クーパーズタウンはイチローの祝祭一色になるでしょう。我々は日本人史上初となる殿堂入りを心から歓迎したいです」。シェスタコフスキー氏は華麗なキャリアに幕を下ろしたイチローに待つ、5年後の晴れ舞台に早くも思いを馳せていた。

(Full-Count編集部)

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