「ずっと会いたかった」―2人の左腕が日本代表候補合宿で意気投合したワケ

近江・林優樹(右)と高松商・香川卓摩【写真:沢井史】
近江・林優樹(右)と高松商・香川卓摩【写真:沢井史】

「似てる」と言われた近江・林と高松商・香川、夏の甲子園での再会を誓う

 U18ワールドカップ日本代表候補の国際大会対策研修合宿では、大船渡の佐々木投手らプロ注目の投手が話題になっているが、他にも様々な刺激を受けている選手が多い。その中の2人が近江の林優樹投手と高松商の香川卓摩投手だ。

 昨夏の甲子園の間、香川は周りから「近江の林くん、お前に似てるな」と言われた。それ以降、林の試合を意識して見るように。林も選抜大会中に香川に似ていると言われたという。選抜の試合はリアルタイムには見られなかったが、香川の好投をニュースで見て刺激になっていた。「自分、(林に)ずっと会いたかったんです」と香川。合宿のため集合した昨晩からさっそく言葉を交わし、意気投合。ともに6日の実戦形式の練習でマウンドに立ってレベルの高い打者を前に好投した。

 林は「力んで自分の思うようなピッチングができませんでした」と苦笑い。ただ、香川は「林くんは自分の持ち味を出していたし、やっぱりいい投手。気持ちの強さも出ていましたよね」と分析した。それに対し、林は「自分、気は弱いですよ」と笑わせた。

 夏の甲子園での再会を共に熱望したが、最後に香川はこう付け加えた。

「対戦はしたくないです。林くんのボールは打てないですから(笑)。でも、お互い頑張って甲子園で再会して、こうやって話したいですね」

 世界で戦うために集った合宿。もちろん、日の丸を背負うことも大きな目標だ。「自分たちはスピードのあるボールを投げられる訳じゃないけれど、コントロールとか持ち味で勝負していきたいです」と林は言う。さらに自分の技を磨くことに意欲を見せたが、意識してきたライバルの言葉、表情に触れると、夏への気持ちも、ぐっと強くなった。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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