鷹、延長11回競り負け首位陥落 継投裏目の工藤監督「松田遼くんでいけるだろうと…」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

柳田を欠く打線は6安打で2得点、スクイズ失敗などミスも…

■日本ハム 3-2 ソフトバンク(10日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクが、2試合連続の延長戦の末に競り負けた。10日、本拠地ヤフオクドームでの日本ハム戦。延長11回にリリーフ陣がつかまって決勝点を許し、首位の座を楽天に明け渡した。

 大田の2ランで先制を許したが、その直後に今宮が5号2ランを放ち、すぐさま同点に追いついた。先発の大竹が7回4安打2失点と好投し、甲斐野、森も無失点で繋いで勝機を伺った。

 綻びが出たのは延長11回。10回から登板していた加治屋が回を跨いでマウンドに。すると、先頭の西川に四球を与え、大田には三塁への内野安打。ここに松田の二塁への悪送球が絡み、無死一、三塁のピンチを招いた。

 左打者の近藤をむかえるところで、ベンチは加治屋から嘉弥真へとスイッチ。左腕は近藤を右飛に打ち取り、さらに上林がレーザービームで西川の生還を阻止。一気に2死一塁となった。4番の中田を迎え、工藤公康監督はさらに嘉弥真から右の松田遼へと継投。これが裏目に出た。松田遼は中田に四球を与え、左打者の王柏融に右前適時打を許してこれが決勝点になった。

 この場面の継投、試合後の工藤公康監督は意図をこう説明した。「ライトフライでゲッツーというのは関係なく、ワンアウト一、三塁で松田(遼)くんが、ダブルプレーないしホームでアウトというのを考えていた。川原くんも準備していて、その考えもあったが、状態がいいということで松田くんでいけるだろうと思っての起用だった」と語った。

 嘉弥真をこのまま中田、王にもぶつけても良さそうだが、ベンチの考えとしては、嘉弥真は左の近藤を仕留める“一人一殺”の起用。この段階でベンチにはモイネロ、川原、奥村の3人が残っていたが、この日は登板が多くなっていたモイネロは“休養日”だった。3人の中で、状態が良いと判断した松田遼で中田、王と打ち取れるというのがプランだったという。

 その目論見が崩れて競り負けたソフトバンク。ただ、打線も奮わなかった。左膝裏の肉離れで柳田を欠き、わずか6安打で、今宮の2ランで挙げた2点だけ。7回1死一、三塁で甲斐のスクイズが失敗、延長11回無死一塁では今宮が犠打に失敗するなど、チグハグな攻撃に終わった。

「今いる選手の中で、作戦も使いながら。コーチにも話して選手にも伝えてもらって、出来ているところは出来ていると思う」と語った工藤監督。前日は延長10回降雨コールド引き分けだったが、4安打3得点。そして、この日は6安打2得点と、主砲の存在の大きさを改めて痛感させられる2試合でもあった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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