「練習すれば誰もお前に勝てなくなる」―今年もパの“キング”、西武山川に響いた言葉

西武・山川穂高【写真:荒川祐史】
西武・山川穂高【写真:荒川祐史】

145M弾含む2連発で両リーグ最速2桁到達、1軍ブルペン捕手の上本氏が明かす本塁打王の“秘話”

 西武の山川穂高内野手が24日のロッテ戦(ZOZOマリン)で第1打席に9号ソロ、第2打席で10号2ランを放ち、両リーグ最速で2桁本塁打に到達した。

 圧巻だった。ロッテ先発の岩下が投じたストレートを完璧に捉えた。2回先頭の第1打席では左翼スタンド上段の照明付近を直撃する“あわや場外”の推定145メートル弾。続く3回1死一塁の第2打席でも打球は高く舞い上がり、レフトスタンドに陣取ったレオ党のもとに飛び込んだ。両リーグ最速の10号到達に、「なんでもトップは嬉しい。去年に引き続き譲らずに(トップを)守りたい」と話す昨季47本塁打を記録したキングの頼もしさは、試合ごとに増している。

 山川は自他ともに認める練習の虫だ。印象的な言葉があった。2017年に開幕を1軍で迎えたものの不振を極め2軍落ち。その後夏場に向けて調子をあげ、7月上旬に1軍に再昇格を果たすと、昇格した日の楽天戦で代打ホームランを放ち一気にブレークした。

 そんな波に乗りかけていた山川に声をかけたのが、現在は1軍ブルペン捕手の上本達之氏だった。2017年限りで現役を引退した上本氏は、現役時代には試合が終わると必ず室内練習場に足を運びバッティング練習を行っていた。ある日、試合後の練習に現れた山川に上本氏は声をかけた。

「お前、なんで来たの?」

「調子が悪いから、直しにきました」

「それでもなんでもいいけど。毎日来て、ちょっとでいいから打ってみ。お前は練習をしなくても打てるけど、練習をすれば誰もお前に勝てなくなるよ」

2017年は「なんで打ちに来たんや?」に「ダイエットがてら」

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