イチロー氏、ファン総立ちの“凱旋”に感慨「あんな風になかなかしてもらえない」

ダグアウトで大歓声に手を振り応えるイチロー氏【写真:Getty Images】
ダグアウトで大歓声に手を振り応えるイチロー氏【写真:Getty Images】

本拠地で紹介され大歓声浴びる「また特別な時間でした」

■カブス 11-0 マリナーズ(日本時間2日・シアトル)

 マリナーズの会長付特別補佐に就任し、同チームのインストラクターとして選手指導の役割も果たすことになったイチロー氏が1日(日本時間2日)、本拠地T-モバイル・パークでのカブス戦で引退後初めてファンに姿を見せ、背番号51のユニホーム姿を披露した。2回表終了後には場内アナウンスで紹介されて、ダグアウトから大歓声に手を振って応える粋な演出も。イチロー氏は試合後に「特別な時間でした」と振り返った。

 この日の試合前、初めて本拠地のフィールドに姿を現し、打撃投手を務めたイチロー氏。試合では、背番号51の白のホームユニホームを着用して初回からベンチ入り。2回表が終了すると、センター後方の大画面にイチロー氏の引退試合となった東京ドームでの勇姿、そして、現役時代の好プレー集が流れた。その後、一塁ダグアウトのイチロー氏が画面に映され、アナウンスで紹介されると、場内はスタンディングオベーションに。イチロー氏は手を振って大歓声に応えた。地元シアトルでの引退“報告”は粋な演出で感動的なシーンとなった。

 イチロー氏は「あんな感じでやると知らなかったから、ちょっと油断してました。ちらっとこうやるくらいだと思ってたから、あんなふうに紹介されるとは思ってなかったですね」と、キャップを取る仕草を見せながら苦笑い。引退はするものの、球団には残るというタイミングでの“挨拶”には多少の難しさもあったようで「それはもちろんシアトルのファンの前で1度はどこかのタイミングで、というのは理解してるしね。だから難しいですよね」と話した。

 イチロー氏は、2001年のア・リーグ新人王&MVP、10年連続200安打&ゴールドグラブ賞&オールスター出場、そして2004年のメジャー記録262安打など、マリナーズで数々の偉業を達成。シアトルのファンには特別な思いを抱く。この日の大歓声には「これはまた特別な時間でしたがね。あんな風になると思ってなかったです。カブスファン多かったですけどね。あんな風になかなかしてもらえないからね」と感慨深げ。もっとも、「(挨拶は)これが最後?」との問いには「わかんないですよね」と、再び苦笑いを浮かべていた。

 さらに、カブスの選手もマウンド上のレスター、遊撃のバエスが拳を胸に当てるポーズをして敬意を表すと、イチロー氏も同じ仕草で返した。ただ、ダグアウトのマドン監督にも思いを伝えたかったようで「レスターもバエスも、その2人が見えたからね。ダグアウトを見ることができなくて、マドンにもちょっと挨拶したかったし。ダルには試合前にできたけどね。だからそのイメージを油断してたんで、そこの配慮はできなかったです」と話していた。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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