広島野間、2試合連続猛打賞も競争意識 「チーム内でも隙を見せないように」

広島・野間峻祥【写真:荒川祐史】
広島・野間峻祥【写真:荒川祐史】

緒方監督は「もっと出塁率を上げてもらえれば」と期待

■広島 9-4 ヤクルト(14日・マツダスタジアム)

 広島の野間峻祥外野手が14日、本拠地でのヤクルト戦で「1番・中堅」でスタメン出場し、3安打4得点の活躍でチームの3連勝に貢献した。

 5月1日以降、1番で起用されていた野間だが、11日の中日戦ではスタメンを外れ、1番には西川が入った。翌日には1番に復帰して3安打し、この日も2試合連続となる猛打賞で、四球を含めた4度の出塁で全てホームに還ってきた。

 初回に四球で出塁し、鈴木の犠飛で先制のホームを踏むと、3回には先頭打者で三塁前に高いバウンドのゴロを放って内野安打。5回は1死からレフト前ヒットで一挙4点の口火を切り、8回も先頭でライトへ安打を放って3安打となった。

 この日、2打点の活躍でお立ち台に立った安部が「なんで、一人でここに立っているのかわからない」とコメントしたように、野間もヒーローインタビューの候補の一人だった。ベンチ裏で報道陣に囲まれた野間は、2試合連続の猛打賞も「これを続けていかなればいけない」と淡々と答えるだけ。

「他に出てもおかしくない選手がたくさんいる中で使ってもらっている。相手はもちろん、チーム内でも隙を見せないようにしたい」と、チーム内の競争に懸命なようだ。緒方監督は「ヒットはもちろんだが、四球も大事。もっと出塁率を上げてもらえれば、今のクリーンアップなら、得点が入る確率が高くなる」とリードオフマンとしての働きを期待する。

 今季は昨年まで不動の1番だった田中広が打率1割台と極度の不振で、8番降格を余儀なくされている。代わりのトップバッターとして最有力なのが野間だ。10日まで1番での先発出場時の打率は1割台と結果を残せていなかったが、「逆方向への意識」と「なんとか塁に出るために食らいついていく姿勢」で、2試合連続で最高の結果を残した。

 代走で驚異的な脚力を見せ、昨季は打撃向上でレギュラーポジションも確保した野間だが、次の段階である1番定着が実現すれば、カープのお家芸である機動力野球に、さらなる磨きがかかることは間違いない。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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