2回8失点の“洗礼”を糧に…ロッテドラ3左腕がたどり着いた「シンプル」な思考

「調子が悪い時は寝て、忘れるくらいにシンプルな考え方でいい」

「シンプルに考える――」

 思えば4月4日のデビュー戦。チームは4連敗中、相手は昨年のリーグ覇者・西武、しかも地元・埼玉での試合という色々な要素が重なっていた試合だった。「雑念、ではないんですが、気が散ってしまって」と小島も振り返るように、いろんな思いが混在する中での登板となっていた。そしてファーム落ち当初の試合でも、多くのことを一気に解決しようとした結果、納得のいく投球を見せることはできなかった。そこで行き着いた答えが「シンプルに考える」だった。

 シンプルに考えるように自分を切り替えたのは、課題への対応だけではない。

「西武戦で打たれて、ファームに来た当初は『この打者にはこう投げる』とか『捕手の構えたところに行かないと絶対ダメだ』など、自分を縛り過ぎていたところがありましたが、試合であまり相手と勝負できていなかった。試合の時にはしっかり相手打者に集中し、抑えることだけを考えて、試合が終わってから良くても悪くてもしっかり反省。そして次の課題を見つける。調子が悪い時は寝て、忘れるくらいにシンプルな考え方でいいと、最近は考えています」

 着実に自らのレベルを高めて再び1軍のマウンドへ。そのためにもう一つ意識的に取り組んでいることが「修正力の向上」だ。

「基本的には自分で自分のことを分析できていないといけないと思っています。ボールがもし高めに浮いた時、自分でこうすればいいという引き出しがないと、ただ試合を壊すだけになってしまいます。(1軍で投げる上では)調子が悪い時にどうするかが大事だと思っているので、『ボールが抜けちゃったー、どうしよう。抜けないようにしなくちゃ』という、考え方ではなく、そこで『あ、なんで抜けちゃったんだろう。体が開いていたからかな。じゃあ、もう少し体を閉じて投げてみよう』という考え方ができることが修正力だと思うので、そういうことができるように、今は引き出しを作ることに集中しています」

 悔しい1軍デビュー戦を糧に、日々課題と向き合い続ける小島。着実にひとつずつそれらの課題を乗り越えて、パンパンに詰まった引き出しを持ったルーキー左腕の1軍再登場の日が、今から待ち遠しい。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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