中日高橋、3安打4打点の大暴れ 4戦9打点荒稼ぎ「結果が出ているのはいいこと」

中日・高橋周平【写真:荒川祐史】
中日・高橋周平【写真:荒川祐史】

ここ4試合で16打数8安打9打点と猛打爆発

■中日 10-3 ヤクルト(25日・神宮)

 竜のキャプテンが止まらない。中日・高橋周平内野手は25日、神宮球場でのヤクルト戦で3安打4打点と大爆発し、チームの大勝と4位浮上に貢献した。ここ4試合で、16打数8安打9打点の打率5割と止まらない。主力の平田が故障離脱中で、この日の試合前には10試合連続スタメン出場だった福田も右手首を痛めて緊急帰名した中、頼もしい背番号3が打線を引っ張る。

 深々と右中間を破っていく打球が、完全に試合を決めた。3点リードで迎えた8回2死満塁。ヤクルトの5番手・風張のスライダーをすくい上げると、右翼スタンドで意気消沈する燕ファンの前へと白球が向かった。走者一掃のタイムリー三塁打。それでも自身はいたって淡々と「追加点が取れて良かったです」と言った。

 直前の7回にも、無死満塁の絶好機で高めのスライダーを逃さずきっちり左前へ。追いすがるヤクルトに中押しのダメージを与えた。3回に鋭いライナーを右前にはじき返した快音を含めて猛打賞。なによりチーム得点の半分近くを叩き出した4打点は、主役の座にふさわしかった。

 守備でもチームの危機を救った。5回2死満塁のピンチで、山田哲のライナーに横っ飛び。走者が飛び出していた二塁に即座に送球し、併殺を完成させた。球数を使いながら粘りの投球が続いていた柳は「ホント、周平さんのおかげです。ピンチの時もよくマウンドに来て話してくれるのはありがたい」と感謝しきり。自らの4勝目より、先輩への思いが口をついて出た。

 与田新体制の旗振り役としてキャプテンに指名されたプロ8年目。立場が成長を促したのか、日々の積み重ねが実を結んだのか、名実ともに欠かせない存在になってきた。3球団競合で東海大甲府から鳴り物入りで入団し、期待の若手1番手に毎年あげられながら頭角を表せなかった過去の姿は遠い昔のように感じられる。

 この日のヒーローインタビューも、はじめは指名されたというが「お前、いけよ」と柳に花を持たせた。主役にも黒子にもなれる主将は、ここ4試合で8安打9打点の固め打ちにも「結果が出ているのはいいことです」と目先の結果には一喜一憂しない。もちろん、4位に浮上しただけでも同様だ。「連勝できたので、明日も勝てるようにするだけです」。ミスタードラゴンズの後継を宿命づける背中の「3」が、どんどんと輝きを増していっている。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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