今も抱く東北への思い 山崎武司氏が被災児童に毎年100万円を寄付し続ける理由

「できる限りは続けていきたいなと思ってる」

 2008年に岩手・宮城内陸地震が発生した後にも復興支援の寄付金を贈った山崎氏。「あのときは現役だったから、栗原の方で野球の環境を整えるために、恩返しとして。微々たるものなんだけど、自分の中でも忘れたくない。東北への思いを忘れたくないという気持ちで今やっている」と話す。

 東日本大震災からの復興も、進んでいるとはいえ、まだまだ時間はかかる。

「何年経っても心の傷は癒えないと思う。東北の人って遠慮がちな人が多いんだけど、あまり下向いてばかりという気持ちもなくて。野球以外でもスポーツで東北を盛り上げていってほしいなというのはある。今、東北もスポーツが盛んだから。俺らみたいな辞めた選手も協力しないといけないけど、一番影響力があるのはやっぱり現役だから。現役に勝るものはないからね。現役選手がもっと積極的にやってほしいね」

 今も東北に帰れば、ファンから大歓迎される。「イーグルスのファンで応援してくださってる方が声をかけてくれたりとか、激励してくれることが一番なので、それで十分だよね。『楽天に戻ってきて』とかファンに言ってもらえるけど、そう言ってもらえるだけでもありがたいよね」と笑顔を見せる山崎氏。毎年100万円というのは個人の寄付金としては大きな額だが、東北の地に特別な感情を抱くからこそ、今後も可能な限り続けるつもりだ。

「できる限りは続けていきたいなと思ってる。被災された方のことを思えば微々たる金額だと思うし、そういう(寄付する)人が(他にも)何人か出てほしいな、というメッセージもあるんだけど、こればかりは強制してやるものじゃないから。もっともっとイーグルスの中から、そういう選手がたくさん出てくれればな、とは思う。お金を出すことだけが震災の貢献ではないかもしれないけど、でもないよりあったほうがいい。県の人にパンフレットを見せてもらったんだけど、親御さんをなくした子供への支援金の金額(高校卒業時の一時金)が60万円補助してくれると書いてあって、俺はたった一人分しか貢献できてないんだなと思うと、やっぱりまだまだだなと思うしね。そう思うと、もっともっと広がってほしいかなと思うかな」

(Full-Count編集部)

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