“リーグ最低打率”は名選手ばかり? パ・リーグ過去14年を振り返る

ベテランの域に達してから鮮やかな復活劇を見せた、谷佳知氏と山崎武司氏

 谷佳知氏は2004年までは球界屈指のヒットメーカーとして活躍していたが、球団合併初年度の2005年に絶不調に陥ってしまう。続く2006年も打率.267と不振だったが、2007年にトレードで巨人に移籍したことをきっかけに、本来のシュアな打撃を取り戻していく。同年に141試合で打率.318と復活を果たすと、2009年には規定打席未満ながら101試合で打率.331を記録。2007年からのリーグ3連覇にも貢献し、19年間のプロ生活で生涯打率.297、通算1928安打という素晴らしい実績を残した。

 中日時代の1996年にセ・リーグ本塁打王に輝いた経験も持つ山崎武司氏は、オリックスへの移籍を経て分配ドラフトで楽天の創設メンバーのひとりに。2005年は25本塁打を放ったが、2006年にはリーグ最低打率に沈んでしまう。だが、翌2007年に持ち前の長打力が再び覚醒。43本塁打、108打点と38歳にして打撃2部門でキャリアハイの成績を残し、本塁打と打点の2冠王に輝く復活劇を見せた。再び打率最下位に沈んだ2010年にもリーグ2位の28本塁打、リーグ4位タイの93打点を挙げるなど、41歳を迎えてもその打棒は衰え知らずだった。

 2008年に来日したブラゼル氏は、リーグ4位の27本塁打を放って同年のリーグ優勝にも貢献したが、後半戦は不振にあえいでしまう。負傷の影響で日本シリーズにも出場できず、西武でのプレーはこの年限りとなってしまった。ブラゼル氏がその本領を発揮したのは、翌2009年途中に阪神に移籍してからだった。広い甲子園球場と左打者に不利な浜風をものともせず、82試合で16本塁打、49打点、打率.291と活躍。続く2010年には47本塁打、117打点、打率.296と大爆発し、長距離砲としての高い実力を証明してみせた。

「史上最大の下克上」の立役者、里崎智也氏もその前年は……

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