阪神・高橋遥に鷹も脱帽 工藤監督「よく3点も取った」打者からは「あれは打てない」の声も

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

6回までわずか1安打に封じるも、7回にグラシアルに痛恨3ラン被弾

■ソフトバンク 3-0 阪神(交流戦・13日・ヤフオクドーム)

 阪神は、先発した高橋遥人投手の力投に応えることができなかった。13日、敵地ヤフオクドームでのソフトバンク戦。1勝1分けで迎え、カード勝ち越しを期して挑んだ一戦だったが、打線がわずか2安打に終わり、零封負けを喫した。

 0-3で敗れたものの、先発の高橋遥は圧巻の投球を敵地で披露した。初回を簡単に3者凡退に打ち取ると、6回までソフトバンク打線に凡打の山を築かせた。許した安打は2回に松田宣の内野安打の1本だけ。ゼロを並べ続け、味方の援護を待った。

 だが、阪神打線もソフトバンク先発の大竹の前に6回までわずか1安打に封じられ、ゼロ行進。両先発左腕による息詰まる投手戦となった。この我慢比べに敗れたのが、高橋遥だった。7回。今宮、内川に連打を浴びて走者を背負うと、1死としてから、グラシアルに決勝の3ランを浴びた。左腕は7回5安打3失点。好投していたにも関わらず、報われなかった。

 6回までわずか1安打に封じられていたソフトバンク打線。率いる工藤公康監督も、敵ながら、高橋遥の投球を絶賛した。「相手の高橋投手は素晴らしい投球をしていて、よく3点も取ったなと。低めの真っ直ぐ、低めのフォーク、カット、スライダーと、あれだけ投げ分けられると、打つのは難しい。1点勝負になるなと感じていた」と脱帽した。

 グラシアルの3ランも、1ボール2ストライクからの4球目、内角低めへのカットボールだった。決して甘いボールではなく、打ったグラシアルを褒めるべき1球。指揮官も「技ありの本塁打。フェアグラウンドに飛ばすのも難しいボールだった。あれを本塁打にするのはさすが」と、打ったグラシアルを絶賛していた。

 投げ合いを制した大竹も、同い年で連絡を取り合う仲の左腕には脱帽。「凄かったです。打者の人たちもアレは打てないと言っていて。カットボールは何回も見たくなるようなボールだった」と語り、この高橋遥のカットボールに影響され「自分も投げてみたくて、試合中に1回投げてみました。でも、136キロで全く曲がらなかった」と苦笑いで秘話を明かしていた。

 負け投手になったものの、その投球内容は十分過ぎるもの。前日の青柳に続き、高橋遥もまた、敵地で強烈なインパクトを残した。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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