ロッテ酒居、前日の悪夢払拭 敗戦翌日に即登板させた吉井投手Cの意図

ロッテ・酒居知史【写真:荒川祐史】
ロッテ・酒居知史【写真:荒川祐史】

「リリーバーって、すぐに行きたいんですよ。打たれたら」

■ロッテ 3-1 DeNA(交流戦・13日・ZOZOマリン)

 ロッテの酒居知史投手が13日、本拠地でのDeNA戦に2番手として8回に登板した。2番から始まるDeNA打線を三者凡退に切って取り、敗戦投手となった前夜の悪夢を払拭した。

 先発・種市の好投で3-1と2点リードで迎えた8回。前日2点を失い敗戦投手となったセットアッパー酒居がマウンドに登った。「2試合連続、というのは絶対に避けなければいけないとわかっていました。だからといって気負いすぎるのもいけない。昨日も球自体はそんなに悪くはなかったので、しっかりいつも通り投げるだけという感じでした」。2番から始まる相手打線をきっちり3者凡退に仕留めて仕事を果たした。

 前日に打たれていた酒居を、その翌日のマウンドに送ったことについて、吉井投手コーチは「リリーバーって、すぐに行きたいんですよ。打たれたら。それを止めてしまうと、そのままダメになってしまう。だからやられた次の日っていうのは、出番があるなら(起用します)。今日で3連投になるのだったらやめますが、まだ2連投だったので(酒居の起用は)迷いなく」と説明した。

 この日の試合前には「セットアッパーの1球の重み。特に変化球を投げる時には、どこに投げるかしっかり考えて、3つのアウトを全力で取りなさい。先発の時は1、2本打たれても取り返すことができるが、リリーバーはそうはいかない」と酒居を諭した吉井コーチ。「今日は自分でどこへ投げるか考えて、集中して投げていたと思います」と、昨夜の悪夢を乗り越えた若きセットアッパーの投球を評価した。

「初めてこれだけ中継ぎでシーズンを過ごして、考える部分もたくさんある」という酒居。常日頃から守護神の益田に、そして、前夜痛打された直後にはベンチ内でバッテリーを組んだベテラン細川から考え方や立ち振る舞いなどについて、助言を受けた。それらすべてが「すごいプラスになっています」と語り、「毎日良い刺激を受けている」と、リリーバーというポジションに大きなやりがいも感じている。

 交流戦は折り返しに入ったが、シーズンはまだまだ続く。酒居にとって、これからも未体験ゾーンの連続だが「今はネガティブにならないように、すべてポジティブに捉えて、そういう気持ちでいこうと思っています」と、いろんな経験をプラスに変えて今後、リリーバーとしてさらなる飛躍を目指す。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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