「女子プロ野球を目指していた」苫小牧から上京しモデルに 野球女子が描く夢

高身長がコンプレックスだった学生時代 付いたあだ名は「デカ」

 現在170センチある身長が学生時代はコンプレックスだった。小さい頃から人よりも大きく、付いたあだ名は「デカ」。同世代の男子には「威圧感があったと思います」と今は笑って振り返れるが、「(自分は)かわいくないと思った」という。

 しかし、高校3年生の時に転機が訪れた。地元でスカウトされて、着物の雑誌に一般モデルとして掲載された。ファッションへの興味が大きくなっていった。

「(ファッションショーの)札幌コレクションに行ったのですが、私より身長の高い人が堂々と歩いている姿に影響を受けました」

 野球で培った負けん気の強さと根性で、モデルとして頑張っていくことを決意した。嫌だった高身長も今では「もっとほしいくらいです」とほほ笑む。

 ファッションと同じくらい大好きな野球も仕事や生活から、切り離したくはない。野球をやっていた過去を明かしているが、残念な思いをした時もあった。

「『女子野球、女子プロ野球なんてあるんだね…』と言われることが悔しくて。女子プロ野球のみなさんのおかげで広まってきていますから、私ももっともっと広めるお手伝いをしたいなと思っています」

 自分がモデルで頑張れば、女子野球を発信するチャンスもできると考えている。モデル体型を維持するトレーニングをする傍ら、投球練習やフォームチェックも真剣に取り組んでいる。いつかの夢「始球式」にも備えている。

「過去に(球速)110キロ出したことはありますが、今は100キロもいかないくらいです。なので、しっかりとトレーニングとフォームを作って、110キロを出せるように頑張りたいと思います」

 野球の盛んな北海道・苫小牧で野球を始めた少女が、新たな目標に向けて活動をしている。2004年、8歳の時に北海道勢で初めて駒大苫小牧が優勝し、その感動を身近で触れた。プロ野球・日本ハムの人気が北海道で定着。球団が開催した野球教室で選手と触れ合い、もっと野球が好きになった。ケガで野球の夢を諦めたが、モデルの仕事と出会い、コンプレックスがなくなった。節目にはいつも誰かしら大きな存在がいた。

「私も影響を与える人になりたいなと思います」

 モデル業に負けないくらい、野球少女の応援に力を注いでいくことを誓っていた。

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