オリ山本、プロ初完封の4勝目に充実感 「仕事をしたなぁという達成感がある」

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

女房役の若月は「3球勝負もできるし、四球を怖がらずに投げることができる」と絶賛

■オリックス 4-0 西武(28日・メットライフ)

 オリックスの山本由伸投手が28日の西武戦(メットライフ)に先発し、5安打11奪三振の快投を見せプロ初完封で4勝目を挙げた。

 立ち上がりから圧巻の奪三振ショーを演じてみせた。西武の1番・秋山を144キロフォークで空振り三振に仕留めると、続く源田は大きく縦に割れるカーブで空振り三振、そして外崎も鋭く落ちるフォークで空振り三振と、三者連続三振で強力打線を封じた。

 3回には下位打線に連打を浴び、無死満塁とピンチを背負ったが「抑えられると思って、強気で思い切り腕を振った」とギアを上げると、この窮地を切り抜け一気に波に乗った。9回まで毎回の11奪三振で西武打線を寄せ付けず、自身初の完封勝利を手にした。

 西武の先発・今井とは同じく高卒3年目で同級生だ。打線は今井から初回に先制点を挙げたものの、その後は得点を奪うことができずにいた。わずか1点のリードを守り切っていた山本だったが、9回に後藤が値千金の3ランを放ち援護点をプレゼント。山本は「9回はもう一度立ち上がりの気持ちでした。最後に3点入って、それが大きかった。大胆に思い切っていけました」と汗をぬぐった。

 防御率は両リーグトップの1.85と圧倒的な数字を残しながら、ここまで手にした白星はわずか3つ。好投しても勝利が目前ですり抜けていくことも多かったが、この日は最高の結果を出した。女房役の若月は「1回から9回まで150キロのボールを投げることができるところ」と山本の強みを語り、「3球勝負もできるし、四球を怖がらずに投げることができる」とその投げっぷりの良さも魅力の一つだと言う。

 先発に転向後、初めての対戦となった西武の4番・山川は「あれだけ速いストレートがベルト付近に来て、そこにカットとシュート、落ちるボールがある。今日は見ての通りです」とその投球に脱帽していた。

 試合後に「気持ちいいです。仕事をしたなあという達成感がありますね」と充実感たっぷりの表情を見せた山本。チームはこれで5連勝と勢いに乗る。「チームもいい調子できていますし、もっと勢いよく行って順位を上げていけるように」と話した若きエースの力投が、チームを混パの主役に引き上げる。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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