野手はヤクルト中村、投手は中日柳が出色の好成績…セイバー目線で選ぶ6月月間MVP【セ編】

本塁打と打点でトップのソトは打率.188と低く、候補にはならず

 通例なら本塁打や打点のトップが有力候補に名を連ねるところでしょうが、月間本塁打8本、打点17の2冠であるソトの打率は.188。月間16安打のうち半分の8本が本塁打という極端な打撃ぶりでした。出塁率も.247と低調なため候補には挙げておりません。

 月間首位打者と得点圏打率トップという成績が評価され、公式の月間MVPの最有力候補は糸井となりそうです。ではセイバーメトリクスの指標による評価を見てみましょう。

○中村悠平
OPS.934 出塁率.500 長打率.434 wOBA.421 RC27 8.72

○糸井嘉男
OPS.913 出塁率.457 長打率.456 wOBA.404 RC27 8.58

○神里和毅
OPS.885 出塁率.359 長打率.526 wOBA.385 RC27 6.72

 出塁率と長打率を足して評価するOPS、各プレーの特典価値を累積して算出するwOBA、選手の得点創出能力を測るRC27といったセイバーメトリクスの指標によると、中村悠平がすべての指標で月間1位となりました。よって6月の月間MVP打者部門は中村悠平と言えるでしょう。

 もともとO-swing%が20%以下と選球眼がよく、空振り率も6%程度とかなり少ない部類に入る中村悠平ですが、6月の出塁率が5割を記録。シーズン通算でも.375でこれはリーグ8位の成績です(7月7日現在)。捕手としては、かなり優秀だと言えるでしょう。交流戦における中村悠平の球団別成績を見ますとかなり極端な結果になっています。

対楽天 打率.400 出塁率.625 OPS1.625
対西武 打率.556 出塁率.692 OPS1.248
対日本ハム 打率.500 出塁率.571 OPS1.071
対ロッテ 打率.333 出塁率.400 OPS.844
対オリックス 打率.200 出塁率.500 OPS.700
対ソフトバンク 打率.100 出塁率.182 OPS.382

 楽天、西武、日本ハムに対してはOPSが1を超えています。またオリックス戦では打率は2割ですが出塁率が5割と四死球で貢献しています。ただソフトバンクには10打数1安打1四球と押さえ込まれました。なお、今年のセ・リーグでは阪神の梅野隆太郎が打率.270(リーグ16位)、OPS.741、規定打席に達してはいませんが広島の會澤翼が打率.275、OPS.836と打撃成績を残しています。

 ここ数年のセ・リーグのキャッチャーの平均打撃成績は

2015年 打率.224 OPS.594
2016年 打率.220 OPS.592
2017年 打率.223 OPS.607
2018年 打率.219 OPS.612

 と他のポジションに比べて低迷していたのですが、今年に入っては

2019年 打率 .248  OPS .694

 と大幅に改善しています。実はこれ、セ・リーグのショートの平均打率.245、平均OPS.675を上回っています。

勝利数や防御率などは山口が上だが、セイバー指標では柳に軍配

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