【あの夏の記憶】当時高校最速151キロ 元ホークス・新垣渚から163キロ右腕・佐々木朗希へのエール

新垣氏 佐々木は「ものすごく器用」で「クレバー」な投手 「チームのことや先のことを考えている」

――高校最速の163キロを出した大船渡・佐々木朗希投手の存在は見たことありますか?
「少し映像で見たことあります。足を高く上げていますよね。僕もノーラン・ライアンに憧れて、足を高く上げることを意識していました。。ノーラン・ライアンの本『ピッチャーズ・バイブル』を持っていて勉強していました。僕は(佐々木のように)あんなに足上がらないと思っていました。見た時は『あれ、ノーランっぽい足の上げ方だな』って」

――高く足を上げることのメリットは?
「勢いもつきますし、パワーが出ます。下半身から上げて行って、思い切り、ホーム側に向かって行く。下半身が強いですね。(投げるまで球を)長く持っていたいですから、速い球を投げたいとしたら、力使わないと上に伝わらない。佐々木君を見て、すごいな、ちゃんと考えているなと思いました」

――球速を抑えて、多彩な変化球を操って打者を抑えていく投球をしています。
「ものすごく器用ですよね。(佐々木への理解は)できますよ。ものすごい賢い子だと思います。監督が選手を思ってブレーキをかけているのかなという意図も感じます。高校でそれだけ投げるとまだ成長期でありますし、負担はものすごくかかるもの。特に速い球を投げれば、投げるほど、ひじの靭帯に負担がかかる。本人は163キロ投げられる手応えがあると思うけど、その中で抑えて投げるというのは自分をうまくコントロールできるということです」

――投げられるのに抑えるというのは、投手として難しいことですか?
「僕だったらできないです。やはり、どんどん投げたい。一回(163キロが)出ているので、たぶん個人としては投げたいと思っているはず。でもチームとしては、甲子園に出たいと思っている。本人も上を目指している。野球は個人ではなく全体でやるスポーツ。チームのことと、先のことを考えてやっているので、素晴らしいなと思いますね。スカウトの方々は全力を見たいと思うかもしれませんが、(NPB球団も)理解はしてくれると思いますよ。無理してけがされても困りますし。段階を踏んでいってほしいですね」

――新垣さんも、今の時代の高校生だったら、変化球重視の投球をできましたか?
「できたとは思いますしが、そんなに賢くはなかったので(笑)。僕は直球とスライダー。栽監督も『それだけでいい、そういう(他の変化球は)覚えなくていい』と。おかげで真っすぐが磨かれて、150キロを投げられましたし、その当時はそれでよかったと思っています」

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