高橋由伸氏 日米大学野球で初の始球式 ストライクに「魔物はいなかった」

前巨人監督の高橋由伸氏【写真:Getty Images】
前巨人監督の高橋由伸氏【写真:Getty Images】

昨年夏の甲子園で巨人時代の先輩・松井秀喜氏が開幕戦始球式でひっかけてワンバン「それよりはよかった」

 前巨人監督で慶大時代の1996、97年に日米大学野球選手権に出場した高橋由伸氏が21日、神宮球場で行われた第43回日米大学野球選手権の第5戦で始球式を行った。余裕すら感じるマウンドで、ストライク投球を披露。観客から拍手が起こった。

 高橋氏にとって始球式は初めて。神宮球場のマウンドは大学3年時のリーグ戦以来という。登板後「去年、松井(秀喜)さんが甲子園で始球式をやって、ひっかけてボールを投げていたので、それよりはよかったかな、と。ちょっと馬鹿にしていたので……」と巨人時代の先輩よりも“好投”を披露でき、笑顔を見せた。松井氏は投球後、甲子園に魔物がいたと表現していたが、「神宮は私のホーム。魔物はいなかったですね」。東京六大学リーグで活躍していた神宮球場は“味方”だった。

 米国開催だった大学3年時に出場した日米野球大会では3試合連続本塁打を記録。それもすべて3ランを放つなど、20打数7安打、10打点、打率.350と大当たり。しかし、対戦成績は0勝5敗と完敗だった。米国の全勝優勝は大会史上初だった。当時はアトランタ五輪を控えた米国代表候補選手が揃い、強力だったと回顧。「ホームランを打ったという思い出もあるけど、グライシンガー(ヤクルト・巨人)がいて、後に同じユニホームを着るとは思わなかった。セス(グライシンガー)は覚えていなかったけど」と笑った。日本開催の4年時は17打数4安打6打点。0本塁打。打率2割3分5厘も日本が4勝1敗で優勝した。

 大学野球についての思いを問うと、「先ほど、歴史を見せて頂いたら、第1回大会にクロマティが出ていて、歴史があるなと思いました。大学野球は20歳前後。子供から大人に扱われ、人間形成の時期だった(という思い出がある)。今も当時の仲間と(関係が)続いていますし、(得られたことは)たくさんありました」と野球への感謝を口にしていた。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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