ロッテ川越コーチの息子・昂太郎が開幕投手で好投 江尻コーチ期待「力のある子」

開幕戦に先発登板した侍U-12代表・川越昂太郎【写真:Getty Images】
開幕戦に先発登板した侍U-12代表・川越昂太郎【写真:Getty Images】

開幕戦先発抜擢に江尻コーチ「開幕のマウンドの意味を理解して上がれる子」

「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」が26日、台湾・台南市で開幕。初の世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表は初戦でチェコと対戦して21-0で4回コールド勝ち。打線の爆発が目立った快勝だったが、江尻慎太郎投手コーチは4回を1イニングずつ継投し、1安打無四球無失点に抑えた4人の投手を称賛した。

「開幕戦で相手に関わらず非常に緊張する試合だったと思うんですけど、先発の川越をはじめ、みんながそれぞれ自分の力を発揮してくれることができたと思っています」

 開幕戦先発の大役を任されたのはオリックス、ロッテで活躍し現在、ロッテの1軍投手コーチを務める川越英隆氏の息子・昂太郎(東京城南ボーイズ)。江尻コーチが「力のある子ですし、開幕のマウンドっていうことの意味をちゃんと理解してマウンドに上がれる子だと思っていたので抜擢しました」と大役を任せた理由を明かすと、川越は見事に三ゴロ、三振、三振のの3者凡退に抑え、期待に応えて見せた。

 父と比べられるのが2世選手の宿命でもあるが、仁志敏久監督、江尻コーチは口をそろえて「全くピッチングスタイルは違う」という。英隆氏は制球力を武器に通算54勝を挙げたが、昂太郎は力で押すピッチングスタイルだ。さらに江尻コーチはこの大会中でのさらなる成長にも期待している。

「彼は非常に知識が豊富だったりとか、経験も豊富だと思うんですけど、こういう短期決戦は彼の中でも初めてのことだと思いますし、一つの財産にしてほしいなというふうに思いますね。実力以上のことはしてくれる必要はないと思ってますから、彼の実力をしっかりと発揮してくれるようなアプローチをしようと思っていますね」

 先発の川越の後を受けた投手の好投も光った。2回は坂本慎太郎(松戸柏リトルリーグ)が味方エラーがあったものの3奪三振。3回は青木朔真(筑後ボーイズ)が3者凡退。4回は重松寿翔(豊川中央ボーイズ)がチェコに初めてヒットを許したが、併殺でゲームセットとした。

 全員が好投したものの「まだなかなかエースになりきれる子は見つかってないかなっていうのが正直なところですね」と話す江尻コーチ。「終わったときに誰がエースだったんだっていうのがわかるっていうのが一番いいのかなというふうに思いますね」とお互いに刺激を貰いながらの成長を求めた。

 27日には野球大国のキューバ戦と対戦する。「バッターが立ったら勝負を楽しんでもらうしかないんですけど、それ以前のですね。マウンドに上がって5球の投球練習で、試合と同じことをやりなさいっていうのを私は常々言っているので、それをしっかりとやってほしい。それをやる準備をブルペンでやってほしい」といつも通り準備を入念に行い、強豪に挑む。

(工藤慶大 / Keita Kudo)

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