リリーフ、先発で活躍した通算101勝左腕ドン・モッシ氏 功績を振り返る

曲がった鼻と特徴的な風貌から「スフィンクス」というニックネームで愛された

 タイガースに移籍してからは主として先発で起用。移籍1年目の1959年にはキャリアハイの17勝を挙げた。デビュー当初は四球が多かったが、次第にコントロールが良くなり、この時期には制球力が売りとなる。奪三振は少ないが、コーナーを丁寧について打たせて取る投法が光った。またフィールディングが良いことでも知られた。またこの年、ヤンキースに5連勝して「ヤンキーキラー」として名を挙げた。

 モッシは1963年までタイガースで投げるが1964年の春先にホワイトソックスに金銭譲渡される。このオフにホワイトソックスをリリースされ、カンザスシティ・アスレチックスに移籍。ホワイトソックス、ロイヤルズでは救援投手として投げるが、1965年限りで引退した。

 185センチ88キロ。モッシは曲がった鼻と特徴的な風貌から「スフィンクス」というニックネームを持ち、彼のベースボールカードは人気を呼んだ。また耳が大きかったことからチームメイトには「Ears」と呼ばれていた。性格はおとなしく、目立つことを嫌った。

 引退後は野球界から離れる。引退時にはモッシの左腕は曲がったままになっており、モッシの前歴を知らない医師から「子供の頃に交通事故に遭ったのか」と聞かれたという。通算成績は460登板101勝80敗50セーブ、1548回、防御率3.43だった。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY