打率.171と大苦戦の日ハム清宮 それでも栗山監督が1軍に置く理由とは…

日本ハム・栗山英樹監督【写真:石川加奈子】
日本ハム・栗山英樹監督【写真:石川加奈子】

金子、城石両打撃コーチとともに連日早出特打をこなしている清宮

■日本ハム 4-3 ソフトバンク(4日・札幌ドーム)

 日本ハムの栗山英樹監督が4日、打率.171と苦しむ清宮幸太郎内野手に言及した。本拠地ソフトバンク戦の試合前、囲み取材に応じている時だった。3日の首位攻防第2戦に代打で登場して、バットを振ることなく三振に倒れた清宮の話題になると指揮官は「状態自体は悪くない。昨日だってホームラン打つと思って出しているんだから。あそこはホームランが欲しい。流れを変えるために行ってもらった」と期待の言葉を口にした。

 3月に右手有鈎骨を骨折した清宮は5月24日に1軍に昇格。当初好調だった打撃は下降線をたどり、7月20日ロッテ戦(札幌ドーム)で33打席ぶりの安打を放つまで1か月間快音が響かないトンネルを味わった。今季ここまで43試合に出場して117打数20安打17打点、2本塁打と苦しんでいる。

 それでも1軍で起用し続ける理由の一端について栗山監督はこんな風に説明した。「(少し前に打撃が崩れて)あんなにクシャクシャになっている状況で、何が起こっているのか、自分で理解させなきゃいけないというのがあるから。下に行ったら何となく打っちゃうから、分からなくなっちゃう。そこまではしないといけない」

 連日、金子誠打撃チーフ兼作戦コーチと城石憲之打撃コーチが早出特打に付き合っている成果もあり、状態は確実に上がっているという。「あの2人のコーチが朝から来て一生懸命投げてくれている思いとか、感謝を忘れちゃいけない。そういう人たちの思いも受け入れられるかどうかなんだ、人が成長するのは。そんな話は幸太郎にしょっちゅうしている。彼が今何を学ばなきゃいけないか、一生懸命考えているつもり」と指揮官は語る。

 当初の目的だった打撃改善の成果が認められた今、才能あふれるスラッガーに求められるのは結果ということになる。「今は自分が勝負するだけ。状態も普通に戻っているわけだから」と栗山監督は言う。

 これまでは選手個々の能力を最大限引き出すための方策とチームの勝利とのバランスを考えて指揮を執ってきたが「ここからはもういろんなことをするよ。チームが勝つために。(清宮の打撃が)前みたいに全然ダメな時は、下に行っちゃいけないという風に思っていた。今は全て含めて真っ平ら」と語った。一見厳しく聞こえる言葉だが「必ず打つはず」と近い将来の大爆発を誰より信じているのもまた、栗山監督だった。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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