今季2度ノーノーされたマリナーズの行方… 同一年2度ノーノー禍の3球団が持つ共通点

2015年のメッツ、ドジャースは地区優勝、2010年のレイズは…

 メッツとドジャースの前には、2010年にレイズが2度のノーヒッターを被っている。5月9日にアスレチックスのブレーデン、6月25日にはダイヤモンドバックスのジャクソン。特にブレーデンにはパーフェクトゲームを達成されてしまった。実は、レイズは前年2009年7月23日のホワイトソックスのバーリーにパーフェクトを許しており、1年足らずの間に2度もパーフェクトされるという不名誉な記録を残してしまった。

 ちなみにパーフェクトを喫した2試合とも、移動前のデーゲームだった。試合時間はアスレチックス戦が2時間7分で、ホワイトソックス戦が2時間3分。これは冗談だけれど、早く移動したくて淡泊に攻撃しているうちに27人がアウトになってしまったのではないかと勘ぐってしまう。

 話を戻すと、この2010年のレイズも地区首位だった。結局162試合目に勝ち、ヤンキースに1ゲーム差をつけてア・リーグ東地区を制した。こう見てくると、弱いチームがノーヒットノーランをされるわけではなさそうである。

 マリナーズの菊池雄星が「気持ちの切り替えとか、今日はしょうがないんでという割り切りとか、そういう強さがこちら(米国)に来て驚いたことの一つ」と話していたことがある。チームメートだったリーク(現ダイヤモンドバックス)が7月12日のエンゼルス戦で1回持たず7失点(自責点4)でKOされたものの、1週間後の7月19日には同じ相手に1安打完封勝利を演じたことを指したものだった。

 メッツやドジャース、レイズはノーヒットノーランという屈辱をシーズンに2度味わいながらも、うまく気持ちを切り替えた。崩れることなく自分たちの野球をした。さて、今年のマリナーズはこれからどう戦っていくのだろうか。

(樋口浩一 / Hirokazu Higuchi)

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