広島磯村、自力V消滅危機は「頭になかった」 出番を「予測して」劇的一打

広島・磯村嘉孝【写真:荒川祐史】
広島・磯村嘉孝【写真:荒川祐史】

サヨナラ勝利で自力V消滅は阻止「やっぱり嬉しいですね」

■広島 2-1 巨人(13日・マツダスタジアム)

 広島の磯村嘉孝が延長11回の総力戦に決着をつけるサヨナラ犠飛を放った。磯村の殊勲打でチームは3連敗でストップし、チームは自力優勝消滅の危機を回避した。

 1-1の同点で迎えた11回裏、先頭の鈴木が二塁打を放ち、犠打で1死三塁となった後、メヒア、會澤が申告敬遠で満塁となった。この時点でほとんどの野手を使い果たし、ベンチに残った野手は磯村と田中広の2人のみ。「ツーベースから送りバントの時点で(自分の出番を)予測して、早めにベンチで準備していた」という磯村は「来た球を振ろうと思っていた。全部の球種に対応できるようにしていた」と代わったばかりの鍵谷の3球目を振り切った。「低いからどうかなと思った」という打球は、レフトへのサヨナラ犠牲フライとなり、磯村は押し寄せるチームメイトの歓喜の輪に包まれた。

 緒方監督が「ここ最近の内容が悪かったから、こういう順番になる」と振り返ったように、磯村と田中広はいずれも8月に入って1安打のみと不振だった。磯村は「最近は代打がメインになっていたが、結果を出せていないのでなんとかしたいと思っていた。(サヨナラ打は)やっぱり嬉しいですね」と、安堵した様子だった。

 引き分けでも自力優勝消滅となる試合だったが、磯村は「頭になかった」と無心の一打だった。石原、會澤、坂倉と捕手4人が1軍登録されている現状で、優勝争いに生き残ったチームと同様に、捕手争いに土俵際で踏みとどまった一打となった。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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