ロッテの勝利呼んだ東條&松永の「一人一殺」継投 その裏にあった吉井コーチの思い

「失点したからダメとしてしまうと、誰もいなくなってしまう」

 状況は少し違うものの、この日も30日の試合同様、左には松永、右には東條の「一人一殺」継投。30日には抑え込めなかったが、今回は結果を出した東條について、吉井コーチは「まだまだですけど」と前置きした上で「前回の反省が生きていると思います。ただ、苦し紛れに投じたボールを、相手が打ち損じてのサードゴロ。今回はラッキーな面もあったが、あそこでストライクゾーンで勝負に行ける度胸がついてきたというのは、成長だと思います」と一定の評価。ただ、「本当であれば(あの場面で)空振り三振を取れるくらいの投手になってほしい。まだ修行中です」と期待は大きかった。

 その東條の後を受けたのは左の松永。最近2試合でいずれも失点を喫していたが「野球は相手のあるスポーツ。失点したからダメとしてしまうと(投げる投手が)誰もいなくなってしまう。彼の実績を考えれば、こちらは何の心配もなく出しています」と吉井コーチも全幅の信頼を寄せる左腕だ。この日は巧打を誇る左打者、3番・近藤から見逃し三振を奪い、きっちり火消しをして見せた。

「一人一殺」をしっかりやりとげた2投手について、井口監督も「ああいうところ、7、8回でやられるケースが最近ずっと続いていたので、東條、松永がしっかり押さえてくれたのは大きかった」と勝因の一つに挙げた。

 現在、守護神・益田以外は勝ちパターンを固定できていないロッテリリーフ陣。多くの失敗がある中で「ダメでも使っていかないと、成長はない」と様々な状況で投手起用を続ける吉井投手コーチの思いが、一つの実を結び、連敗を止めた大きな1勝をもたらしたと言えるのかもしれない。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY