西武山川、34号逆転2ランで主砲の意地 「もう1回、4番を取り返すつもりで」

4番に座り続けた経験と自覚 「精神的にも技術的にも成長しないといけない」

 ゴムチューブで軸足を引っ張りながらの打撃練習、ロングティーを取り入れたりすることで打撃フォームを修正。「もうひと踏ん張り。壊れてもいいくらい、身体を全部使って一生懸命やればいいかな」と頼もしい。チームは首位ソフトバンクを5差で追う2位につけている。山川は「もう1回、4番を取り返すつもりで。その気持ちや試合での結果は必ず優勝に近づくと思う。優勝、本当にしたいので。優勝を狙ってます」と力強く話した。

 11日のロッテ戦(ZOZOマリン)から4番を外れたが、それまで約2年間常に4番に座り続けた経験と自覚が確かにある。分岐点となった本塁打があった。2017年の7月8日の楽天戦(当時・koboパーク宮城)で1軍に昇格し、その日にハーマンから放った代打ホームランだ。

 1軍と2軍を行き来していた山川にとって「後がない」と覚悟を込めた一振りで試合を振り出しに戻すと、その後は下位打線でスタメンに名を連ねるようになり、8月中旬には4番に座り始めると爆発的な活躍でチームを2位に導いた。17年8月は本塁打や打点など6冠を達成し月間MVPを初受賞。当時の受賞会見で山川は「最初は(4番を打つことを)意識していなかったけど、大変だと感じるようになった。中村さんがどれだけすごいかを改めて感じました」と長く西武の4番を守り抜いていた中村への尊敬を口にすると同時に、「将来的に自分もそこでどれだけできるか。そのプレッシャーに勝っていきたい」と”新4番”としての自覚を語っていた。

 山川が初めて4番を務めたのは2017年8月20日。それから約2年の月日が経ち、この日の試合後にはこう話した。「4番を張るって、結構大変。色んな人の目もあるし、常に打たないといけない。負けたら4番の責任。これから先も打ち続けるためにもっと精神的にも技術的にも成長しないといけない」。チームを勝たせる打者へ。4番を奪還する覚悟はもうできている。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY