ディマジオ、ウィリアムス…戦争でキャリアに影響を受けたメジャーリーガーたち

第2次世界大戦で命を落としたメジャーリーガーは2人

 また、戦後に黒人メジャーリーガーとして大活躍するジャッキー・ロビンソンもカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)在学中に兵役に就き、幹部候補生として少尉に任官している。

 ルー・ブリッシーは、大学屈指の左腕投手として注目され、アスレチックス入団が決まっていた。しかし、戦争の激化から陸軍に志願し、ヨーロッパに送られる。イタリア戦線でドイツ軍の砲撃によって左足を負傷。一時は切断の恐れさえあったが大手術を経て復員した。戦後メジャーに復帰し、アスレチックス、インディアンスで44勝を挙げたが、負傷がなければ殿堂入りしていたのではと言われた。

 第2次世界大戦で命を落としたメジャーリーガーは2人とされる。フィラデルフィア・アスレチックスの捕手ハリー・オニールは1939年にメジャーで1試合に出場したが、1945年3月に硫黄島で戦死した。

 エルマー・ギデオンは同じく1939年にワシントン・セネタースで外野手として5試合に出場したが、空軍に入隊してパイロットになり、1944年4月20日にヨーロッパ戦線で撃墜されて戦死した。

 当時のフランクリン・ルーズベルト米大統領は「ルーズベルト・ゲーム」で知られる大の野球好きだったから、戦争が激しくなってもMLBの試合を中断させることはなかった。しかし、これら上記の選手以外にも多くのメジャーリーガーが戦地に赴いた。

 日米ともに、プロ野球は戦争によって大きな痛手を被っていたのだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY